安定ヨウ素剤

【読み方:あんていようそざい、分類:原子力】

安定ヨウ素剤は、原子力施設などの事故に備えて、服用のために調合した、放射性ではないヨウ素をヨウ化カリウムの形で製剤化したものをいいます。これは、放射性ヨウ素の摂取による内部被ばくの低減に関してのみ効果があります。

一般にヨウ素は、甲状腺ホルモンの構成成分として必須の微量元素であり、甲状腺にはヨウ素を取り込んで蓄積するという機能があります。この機能により、原発事故等で環境中に放出された放射性ヨウ素が呼吸や飲食により体内に吸収されると、甲状腺に濃集され、甲状腺組織内で一定期間放射線を放出し続けます。その結果、放射線による甲状腺障害が起こり、晩発性の障害として甲状腺腫や甲状腺機能低下症を引き起こすと言われています。

万が一、原子力災害が起こった場合、放射性ヨウ素による障害を事前に防ぐためには、放射性ヨウ素を取り込む(被ばくする)前に安定ヨウ素剤を服用し、甲状腺をヨウ素で飽和しておく必要があります。通常、安定ヨウ素剤の効果は、投与時期に大きく依存し、放射性ヨウ素の吸入直前の服用が最も効果が高いとのことです。

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