法定福利費

読み方: ほうていふくりひ
分類: 勘定科目(P/L)

法定福利費は、企業(事業主)が福利厚生のために支出する費用のうち、法令および政令によって、事業主に費用負担が義務づけられているものをいいます。

損益計算書(P/L)の販売費及び一般管理費に区分される勘定科目の一つで、具体的には、社会保険と労働保険の事業主負担分が該当します。また、従業員負担分については、給与から天引きし、事業主負担分と合わせて納付しますが、これは「預り金」勘定によって処理します。

◎損益計算書 > 経常損益 > 営業損益 > 販売費及び一般管理費 > 法定福利費

目次:コンテンツ構成

福利厚生費と法定福利費

福利厚生費は、従業員の健康や医療衛生、慰安、慶弔禍福などのために支払う費用を指し、「法定福利費」と「厚生費」の2つから構成されます。

一般に会計処理において、法定福利費は、独立した勘定科目で処理されることが多く、この場合、「法定福利費」と「福利厚生費(法定福利費以外の福利厚生のために要する費用)」に区分されます。

法定福利費で処理されるもの

法定福利とは、法律で企業(事業主)に義務付けられている福利厚生のことをいい、また法定福利費は、以下のように、法律で明確に定められています。

社会保険の事業主負担分

健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、子ども・子育て拠出金(児童手当拠出金)

労働保険の事業主負担分

労働者災害補償保険料(労災保険料)、雇用保険料

法定福利費を内訳明示した見積書

法定福利費を内訳明示した見積書とは、下請企業が元請企業(直近上位の注文者)に対して提出する見積書において、法定福利費を内訳として明示したものをいいます。

建設産業において、持続的発展に必要な人材の確保を図るため、2013年に社会保険等未加入対策を進めていく中で導入されたもので、これを活用することにより、社会保険等の加入に必要な金額をしっかりと確保することを目的としています。

<作成手順>

1.見積書に記載する内訳を確認する
2.工事ごとの労務費を算出する
3.労務費をもとに法定福利費を算出する
4.見積書に法定福利費を明示する

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