内的参照価格

読み方: ないてきさんしょうかかく
英語: Internal reference price
分類: 価格

内的参照価格は、消費者が商品やサービスの価格が妥当かどうかを判断する際に基準となる、自分の経験に基づく記憶の中の価格情報をいいます。これは、参照価格の一つで、価格判断の基準として用いられる心理的な価格であり、必要に応じて長期記憶から想起され、また過去に観察した様々な価格に基づいて形成されます。

なお、参照価格には、内的参照価格の他に、希望小売価格や通常価格など外部で参照される価格情報である「外的参照価格」があります。

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内的参照価格の特性について

内的参照価格は、簡単に言えば、自分の記憶から想起される妥当と考える価格(値頃感)であり、以下のような特性があります。

・人により異なり、受容価格幅がある
・常に一定ではなく、時と共に変動する
・購買状況や購買場所、消費シーンなどで異なる
・この価格が高いと価格受容度は高くなる
・他の関連するカテゴリーのものを用いることもある

内的参照価格の種類について

内的参照価格は、大きく分けて、期待や願望が元になって形成されるものと、市場価格が元になって形成されるものとがあります。

●期待や願望が元になって形成されるもの

・公正価格:総合的に判断して公正であると考える価格
・期待価格:このくらいだろうと自分で予想する価格
・最低受容価格:これ以下では品質が劣ると考える価格
・最高受容価格:これ以上は払いたくないと考える価格

●市場価格が元になって形成されるもの

・購入価格:過去に自分が購入した価格
・通常価格:通常の水準として妥当と思う価格
・平均観察価格:実際に見た中で平均と思う価格
・最低観察価格:実際に見た中で最も低いと思う価格
・最高観察価格:実際に見た中で最も高いと思う価格

内的参照価格と購買意思決定について

消費者は、商品やサービスの購買にあたって、実際の販売価格を見て、自分の内的参照価格に照らし合わせ、高い・安い・妥当を判断し、自分の判断に確信があれば、購買の意思決定に至ります。なお、外的参照価格は、客観情報として販売価格(実売価格)との比較に用いられます。

・販売価格<内的参照価格:安い(割安)
・販売価格>内的参照価格:高い(割高)
・販売価格=内的参照価格:妥当

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