再構築コスト

読み方: さいこうちくこすと
分類: リスク管理

再構築コストは、「市場価値」とも呼ばれ、全く同じ価値のデリバティブ取引をもう一度構築する時に必要なコストをいいます。

あるデリバティブ取引について、時価評価した場合の価値(金額)であり、具体的には、残存するデリバティブ取引について、残存期間中に生じるキャッシュフローの合計(もしくはキャッシュフローの交換を要求する権利に相当する金額)を現在価値に引き直したもので、また取引の残存部分を再構築する費用と等しくなります。

一般に再構築コストは、キャッシュフローや割引率を計算するための各種変数(金利や為替レートなどのリスクファクター)の変動に伴って常に変化し、デリバティブ取引を日々管理する上で基本となります。

再構築コストの種類

再構築コストには、「正の再構築コスト」と「負の再構築コスト」の二つがあります。

|正の再構築コスト|
差し引きプラスのキャッシュフローが生じる場合(ネットで受け取り超過となる場合)の現在価値額。

|負の再構築コスト|
差し引きマイナスのキャッシュフローが生じる場合(ネットで支払い超過となる場合)の現在価値額。

仕組み預金の再構築コスト

再構築コストは、デリバティブを組み込んだ仕組み預金の解約時の違約金の説明の中でも使われることがあります。

この場合の違約金は、銀行等の金融機関が所定の方法により算出する「再構築コスト相当額」を意味することがあり、具体的には、仕組み預金に組み込まれているデリバティブ取引の中途解約時における時価評価相当額および市場取引コストの合計額を言ったりします。

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