ルーカス批判

読み方: るーかすひはん
英語: Lucas critique
分類: 概念

ルーカス批判(Lucas critique)は、1970年代まで主流であった伝統的なマクロ経済学における政策評価方法に対する批判(問題点の指摘)をいいます。

米国の経済学者でノーベル経済学賞を受賞したロバート・ルーカス(Robert Emerson Lucas Jr.)が1976年に発表した論文「Econometric Policy Evaluation: A Critique」にちなんで名付けられたもので、現代におけるマクロ経済分析の方法論の出発点となっています。

ルーカスは、本論文において、過去データから推定された係数パラメータは、政策変更によって人々の行動が変化することを通じて変わってしまう可能性があることを示唆し、そのようなモデルや分析方法に基づいて政策分析を行う場合には根本的な問題があることを明らかにしました。

また、同時に、将来の経済に対する予想を明示的に取り扱わないことが、市場経済において合理的に行動しようとする経済主体と矛盾するだけでなく、政策のインプリケーション(含意)を大きく歪めてしまうことを明らかにしました。

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