ワールドスケール

英語: Worldscale(WS)
分類: 海上運賃

ワールドスケール(Worldscale)は、「ワールドスケール・レート(Worldscale rate)」とも呼ばれ、世界で最もよく使用されているタンカーの運賃指標(基準運賃)をいいます。

ロンドン(英国)とニューヨーク(米国)にある業界団体(タンカーの海運ブローカーの非営利組織)のワールドスケール協会(Worldscale Association)が共同で算定しているもので、1969年に初めて発表され、その後、算定方式が何度か見直され、今日に至ります。

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ワールドスケールの意義

スポット航海用船におけるタンカー運賃は、燃料代や港費、船型や航路ごとに運航条件が異なりますが、「ワールドスケール」によって、スポット契約の運賃に世界統一基準が用いられます。また、この運賃率を用いることによって、航路に関わりなく、タンカー運賃のマーケット水準を容易に比較・判断することが可能になります。

ワールドスケールの算定方式

現在のワールドスケールの算定方式は、19,500重量トン、速力14ノットを基準船型として、原油1トン当たりの基準運賃(ドル建て)を「New Worldwide Tanker Nominal Freight Scale」で取り決めています(毎年1月1日と7月1日に改定)。

具体的には、この基準船型を対象に、ある与えられた運賃率の元では積み揚げ港のいかんによらず、1日あたり同一の運航収益(運賃から運航経費を差し引いた額)が得られるような基本構成となっています。

タンカーの実際の運賃率

タンカーの実際の運賃率は、ワールドスケール協会より公表される名目運賃率(フラットレート:Flat Rate、ドル/メトリックトン)のパーセンテージによって表示することが慣習となっており、輸送される貨物の「重量(メトリックトン)」と航海用船契約で合意された「運賃率」を乗じて「運賃」が算出されます(WS100は基準運賃の100%、WS70は基準運賃の70%を意味する)。

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