ワールドダラー

英語: World Dollar
分類: 通貨関連

ワールドダラー(World Dollar)は、連邦準備理事会(FRB)が米国内に供給するベースマネー(マネタリーベース)と、米国を除く各国の中央銀行等が外貨準備として保有する米ドルを足し合わせたものをいいます。

現在、世界のマーケットにマネー(米ドル)がどれだけ出回っているかを測る指標となっており、基軸通貨である米ドルの供給量を基に計算され、通常、FRBが米国内に供給した準備預金などの供給量(マネタリーベース)に、米国以外の各国の中央銀行等が外貨準備として持つ米国債を加えることが多いです。

マネタリーベースについては、米国内の金融機関にとって、融資や投資を行う際の元手となる。

◎米国外の各国の中央銀行などが自国通貨売り・米ドル買いの為替介入を実施した場合、海外市場の資金供給が増えることになり、その結果が海外当局が保有する米国債の残高として表れることになる。

一般にワールドダラーは、「世界のドル流通量」を図る目安を示すと共に、「過剰流動性」を計る指標としても利用されます。これまでの歴史として、世界のドル流通量が高まるとバブルの生成と崩壊が繰り返され、実際に過去には、1980年代の日本のバブル、1990年代の中南米やアジアの通貨危機、2000年代の米国のITバブルや住宅バブルなどがありました。

そして、2008年のリーマンショック以降は、FRBの量的緩和により、世界のドル流通量が世界の経済成長を大きく上回り、米国内の資金需要が低迷する中で、巨額のマネーが世界の株式市場や商品市場などへ流入し、過剰流動性相場が形成されることになりました。

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