国際原子力機関(IAEA)

読み方: こくさいげんしりょくきかん
英語: International Atomic Energy Agency(IAEA)
分類: エネルギー

国際原子力機関(IAEA)は、原子力の平和的利用を促進すると共に、原子力が平和的利用から軍事的利用に転用されるのを防止することを目的とした国際機関をいいます。

国連の専門機関ではないですが、密接な協力関係にある自治機関で、1953年の国連総会におけるアイゼンハワー米国大統領による演説(Atoms for Peace)を直接の契機として、国連の後援のもと1957年に発足し、本部はオーストリアのウィーンに置かれています。

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国際原子力機関(IAEA)の概要

国際原子力機関(IAEA)は、原子力分野での協力を進める世界の中心的機関です。

・加盟国:173カ国(2021年10月現在)
・組織:総会(General Conference)、理事会(Board of Governors)、事務局(Secretariat)から構成。
・事業内容:原子力の平和的利用、保障措置の実施

国際原子力機関(IAEA)の権限

国際原子力機関(IAEA)の権限は、現在、以下のようになっています。

・全世界における平和的利用のための原子力の研究、開発及び実用化を奨励し、援助する。加盟国間の役務・物質・施設等の供給の仲介や、活動または役務を行う。
・平和的目的のための原子力の研究、開発及び実用化の必要を満たすため、開発途上地域における必要を考慮しつつ、物資・役務・施設等を提供する。
・原子力の平和的利用に関する科学上及び技術上の情報の交換を促進する。
・原子力の平和的利用の分野における科学者及び専門家の交換及び訓練を奨励する。
・原子力が平和的利用から軍事的利用に転用されることを防止するための保障措置を設定し、実施する。
・国連機関等と協議、協力の上、健康を保護し、人命及び財産に対する危険を最小にするための安全上の基準を設定しまたは採用する。

国際原子力機関(IAEA)の保障措置活動

国際原子力機関(IAEA)では、開発途上国へ原子力の平和利用を促進するための支援活動を行うと共に、核拡散防止条約(NPT)に基づき、原子力開発を進めている国々と保障措置協定を結び、軍事転用されていないことを確認するため、保障措置活動を行っています。

具体的には、プルトニウムやウランなどの核燃料物質やその取扱い施設が、核兵器の開発等の軍事に転用されないように査察などを実施しています。日本についても、IAEAとの間で協定を結び、保障措置を受けており、その対象施設は、原子炉及び核燃料サイクル関連施設となっています。

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