国連憲章

読み方: こくれんけんしょう
英語: Charter of the United Nations(UN Charter)
分類: 条約

国連憲章は、「国際連合憲章」とも呼ばれ、国際連合(国連)の加盟国の権利や義務を規定すると共に、国連の主要機関や手続きを定めている基本文章をいいます。

加盟国の主権平等から国際関係における武力行使の禁止に至るまで、国際関係の主要原則を成文化している国際条約(国連の憲法)で、前文と全19章、全111条からなります。

その歴史は、1944年に4大国(英米ソ中)が草案作りに入り、1945年6月のサンフランシスコ会議で採択され、同年10月24日に発効しました。

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国連憲章の構成

国連憲章は、第1章では、国際連合の目的と原則を規定し、第2章では、国連加盟のための基準を設定し、第3章では、国連の6つの主要機関の名前を載せ、第4章から第15章までは、各機関の機能や権限の定義を行い、第16章から第17章では、国連と現存する国際法との関係について述べ、第18章と第19章では、憲章の改正と批准について規定しています。

・第1章 目的及び原則
・第2章 加盟国の地位
・第3章 機関
・第4章 総会
・第5章 安全保障理事会
・第6章 紛争の平和的解決
・第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動
・第8章 地域的取極
・第9章 経済的及び社会的国際協力
・第10章 経済社会理事会
・第11章 非自治地域に関する宣言
・第12章 国際信託統治制度
・第13章 信託統治理事会
・第14章 国際司法裁判所
・第15章 事務局
・第16章 雑則
・第17章 安全保障の過渡的規定
・第18章 改正
・第19章 批准及び署名

国連憲章が定める国連の目的

国連憲章が定める国連の目的として、以下が挙げられます。

・国際の平和と安全を維持すること
・人民の同権および自決の原則の尊重に基礎をおいて諸国間の友好関係を発展させること
・経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際問題を解決し、かつ人権および基本的自由の尊重を促進することについて協力すること
・これらの共通の目的を達成するにあたって諸国の行動を調和するための中心となること

国連憲章と国際紛争

国連憲章は、国際紛争において、特に重要な規定として、武力による威嚇またはその行使の禁止(第2条4項)、侵略等の行為に対して国連が取り得る措置(第39条~第42条)、国家の自衛権に関する規定(第51条)などがあります。

長年、国際紛争が発生した際には、国連憲章の解釈を巡って、欧米やロシア、中国など、利害関係の異なる加盟国間で度々対立してきました。

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