流動性のジレンマ/トリフィンのジレンマ

読み方: りゅうどうせいのじれんま
英語名: Liquidity dilemma
分類: 世界経済|概念

流動性のジレンマは、「トリフィンのジレンマ」とも呼ばれ、特定の国の通貨基軸通貨とする国際通貨体制においては、基軸通貨の供給と信用の維持を同時に達成できないというジレンマ(矛盾)をいいます。これは、ブレトンウッズ体制(金ドル本位制)において、1960年に経済学者のロバート・トリフィン(Robert Triffin:1911/10/5-1993/2/23)が一国の通貨を国際通貨として使用する制度の問題点を指摘したことに由来するものです。

具体的には、国際貿易の拡大に応じて、国際流動性が米国(基軸通貨国)の国際収支赤字(米ドル流出)で供給される場合は米ドル(基軸通貨)の信認が低下し、一方で米国が国際収支バランスを維持しようとすれば、国際流動性が不足し、世界経済の成長を阻害してしまうと指摘しています。

<流動性ジレンマのポイント>

・世界経済の中で基軸通貨国が国際的な競争力を有していると、貿易黒字が発生して流動性供給が不十分となる。
・逆に基軸通貨国の経済力の低下に伴って競争力が低下し始めると、貿易赤字を通じて世界経済への流動性供給は十分に供給される一方で、基軸通貨国の信認の低下へと結びつき、結果として流動性は不安定化する。