株主提案権

読み方: かぶぬしていあんけん
分類: 株主

株主提案権は、株主が株主総会で議案を提出する権利をいいます。これは、会社の経営に参加する権利である「共益権」の一つで、議題提案権と議案通知請求権と議案提案権を合わせたものとなっています。

|議題提案権|
株主が一定の事項を株主総会の目的(議題)とすることを請求する権利。

|議案通知請求権|
議題につき株主が提出しようとする議案の要領を招集通知に記載または記録することを請求する権利。

|議案提案権|
株主総会において、議題につき議案を提出できる権利。

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株主提案権の行使

株主提案権を行使できるのは、6ヶ月以上前から継続して、総株主の議決権の100分の1以上の議決権を持つか、300個以上の議決権を持つ株主に限られます。

通常、本要件を満たした株主は、株主総会が開催される日の8週間以上前に、取締役に対して書面で一定の事項を株主総会の議案とするよう請求できます。また、複数株主の議決権数を合算することによって要件を充足している場合には、当該複数株主による共同提案としても請求できます。

ただし、提案した議案が法令や定款に違反していたり、また実質的に同じ内容のものが議決権の10%以上の賛成を得られずに否決されてから3年間が経過していない場合は提案できません。

株主提案権の事例

株主提案の内容としては、経営関与や増配要求、事業改革、買収防衛策などがあり、過去においては、例えば、以下のような提案がなされました。

・2021年:東芝に対して、筆頭株主エフィッシモの「2020年総会決議の再調査」の提案(可決)
・2019年:LIXILグループに対して、前社長の瀬戸氏側が会社(創業家)側に対抗して、取締役選任の提案(可決)
・2018年:黒田電気に対して、村上世彰氏が関与する投資会社レノの社外取締役選任の提案(可決)
・2013年:ソニーに対して、米サード・ポイントのエンタメ事業の分離上場の提案(否決)
・2009年:アデランスホールディングスに対して、米スティール・パートナーズの取締役選任の提案(可決)
・2008年:電源開発に対して、英ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンドの増配等の提案(否決)

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