特別目的会社

読み方: とくべつもくてきがいしゃ
英語: Special Purpose Company
分類: 会社区分

特別目的会社は、「SPC」とも呼ばれ、金融機関や事業会社などが資産の流動化や証券化を利用する目的で設立された会社をいいます。これは、事業を行って営利を追求することではなく、資産を保有する器として機能することが目的であるため、倒産することがないように仕組まれています。

また、類似の機能を持つ信託や任意組合、匿名組合などを含めて「SPV(Special Purpose Vehicle)」とも呼ばれ、通常、設立場所は、その多くが税制上の優遇措置のあるタックスヘイブン(ケイマン、バミューダ、バージン諸島などの地域)で設立されています。

一般に特別目的会社は、資産(債権・不動産等)を裏付け(担保)に有価証券(株式・債券等)を発行して、資金調達をする場合などに利用されます。

具体的には、保有する資産を特別目的会社に譲渡することにより、その資産を企業本体から切り離せると共に、特別目的会社は譲渡された資産を証券化して、その資産の信用力をもとに資金調達をすることができます。これによって、企業等は、バランスシートをスリム化して財務指標の改善を図ったり、資金調達の多様化や効率化、コスト削減を図ったりすることができます。

なお、日本においては、資産の流動化に関する法律(SPC法)にもとづく特別目的会社は、「特定目的会社」と呼ばれ、他の特別目的会社と区別されます。

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