企業価値(EV)

英語名: Enterprise value、Corporate value
分類: 会社・経営|M&A

企業価値(EV)は、「エンタープライズ・バリュー」や「コーポレート・バリュー」とも呼ばれ、企業の値段であり、企業を貨幣金額で表現したものをいいます。これは、企業の経済的な価値のことであり、株価の算定やM&A(合併・買収)、リストラなどを評価する際の基準となっており、また子会社関連会社への出資など連結経営を考える場合にも不可欠な概念となっています。また、経済産業省の企業価値研究会では、EVを「会社の財産、収益力、安定性、効率性、成長力等、株主の利益に資する会社の属性又はその程度」と定義しています。

一般にEVは、将来生み出すキャッシュフローの現在価値の合計のように言われることが多く、その価値を向上させるには、収益性の向上、投資(資産)効率性の向上、財務の最適化がポイントになります。また、その算出方法(評価方法)は多岐に渡っていますが、大きく分けて、資産の価値からアプローチする「コストアプローチ」、他社との比較からアプローチする「マーケットアプローチ」、収益からアプローチする「インカムアプローチ」の3つに区分されます。

通常、M&Aでは、売り手側は会社への思い入れ等によりEVを高く評価する一方で、買い手側は将来予測の不確実性や投資の安全性からEVを低く評価する傾向があります。そのため、売り手の考えるEV (セラーズバリュー) と買い手の考えるEV (バイヤーズバリュー) は必ずしも一致せず、双方の交渉の結果決定した金額が現実のEVとなります。

●コストアプローチ

評価対象となる企業の保有する資産を再構築すると仮定し、それに要するコストに観点を置いたもので、保有している資産をベースに算出する方法。これには、「簿価純資産法」や「時価純資産法」などがある。

●マーケットアプローチ

評価対象企業の価値を、比較対象となる企業の取引価格を参考にして算出するもので、評価対象企業の任意の指標の数値に係数を乗じて価値を算出する方法。これには、「類似企業比較法(類似企業株価指標倍率法)」や「類似業種比較法(類似業種比準法)」などがある。

●インカムアプローチ

企業の収益面からアプローチする方法。これには、企業が生み出す収益(将来のフリーキャッシュフロー)の現在価値合計をEVとする「DCF法(割引キャッシュフロー法)」や、企業の平均収益額を適正な資本還元率で除してEVとする「収益還元法」などがある。