善管注意義務

読み方: ぜんかんちゅういぎむ
分類: 信託|義務・責任

善管注意義務は、国語辞書では、「善良な管理者としての注意義務」を意味します。これは、不動産信託、資産運用、会社経営など、世の中で幅広く使われる用語で、具体的には、業務を委任された人の職業や専門家としての能力や社会的地位などから考えて、通常期待される注意義務のことをいいます。また、民法の第644条(受任者の注意義務)では、「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」と記されています。

一般に信託業においては、受託者の義務のうち、最も基本的なものとして、善管注意義務、忠実義務分別管理義務の3つがあり、その中で善管注意義務は、信託法では「受託者に対して課されている最も基本的な義務の一つで、受託者は信託事務を処理するにあたって、善良な管理者の注意をもって行わなければならない」とされています。また、投資運用業においては、金融商品取引法では「金融商品取引業者等は、権利者に対し、善良な管理者の注意をもつて投資運用業を行わなければならない」とされています。

なお、善管注意義務がある者が、通常の注意義務を怠って、履行遅滞や不完全履行、履行不能などに至る場合は「民法上過失がある」と見なされ、委任者は状況に応じて、損害賠償や契約解除などが可能となります。