アイスランド危機

読み方: あいすらんどきき
英語名: Icelandic Financial Crisis
分類: 国際情勢|金融危機

アイスランド危機は、2008年にアイスランド共和国で発生した金融・経済危機のことをいいます。これは、米国のサブプライムローン問題に端を発した世界金融危機により、当時、金融機関のレバレッジの高さが際立っていた同国の金融バブルが崩壊し、国家破綻(経済崩壊)寸前まで行ったものです。また、アイスランドとは、北ヨーロッパの北大西洋上に位置し、日本の北海道と四国を合わせた程度の広さの島国で、人口は30万人強の小国ですが、危機前の国民一人当たりのGDPは世界トップレベルで、2006年末には大手3行の資産は合計1500億ドルとGDPの約8倍にも達していました。

2008年9月29日に、国内3位のグリトニル銀行が政府管理下に置かれ、外国為替市場アイスランドクローナは大幅に下落しました。同年10月6日には、政府が非常事態を宣言し、議会はアイスランド国内の全銀行を国有化する法案を可決し、10月7日には国内2位のランズバンキ銀行が国有化され、また10月9日には最大手のカウプシング銀行も国有化され、さらにレイキャビク証券取引所の10月13日までの取引停止が決定されました。また、本危機では、10月27日にカウプシング銀行のサムライ債円建て外債)780億円が事実上のデフォルト債務不履行)となりました。

このような状況の中、アイスランド政府は、金融危機を乗り切るために、欧州諸国に支援を要請しましたが、どこの国も余裕がなかったため、最終的には国際通貨基金(IMF)に支援を要請し何とか承認され、その後、北欧4国からの救済融資も受けられることになりました。なお、危機の間、同国内は大きく混乱しましたが、その対応はかなりドラスティックで、最大級の銀行も救済せずに破綻させる一方で預金支払いを保証し、また借金で苦しむ個人や企業に対しては一部債務免除を行っており、この債務免除は家計破綻や黒字破綻を防ぐ上で効果があったようです。

金融危機後、アイスランドは、自国通貨が外国為替市場で暴落し、輸入物価が大きく上昇する一方で、通貨安により輸出ドライブがかかり経常収支が大幅に改善し、さらに通貨安により主要産業の一つである観光業も大きな恩恵を受けて、経済(景気)が順調に回復していきました。そして、2011年8月にIMFの支援プログラムから脱し、2012年2月には国債の信用格付が投資適格のBBBに戻り、比較的短期間で奇跡的な復活を果たしました。