コロナショック/コロナ危機

読み方: ころなきき
英語名: Corona crisis
分類: 複合危機

コロナショックは、「コロナ危機」とも呼ばれ、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行したことにより、2020年2月末頃に始まった世界的な株価大暴落と金融・経済危機をいいます。これは、疾病面では、100年に1度の感染症クライシスとも言われ、全人類に甚大な被害を及ぼす可能性があり、2008年のリーマンショックとは危機の内容が大きく異なります。

ここでは、現在進行中の「コロナショック」を分かりやすくまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

新型コロナウイルスとは何か?

新型コロナウイルスは、2019年11月に中国の武漢市付近で発生が初めて確認されたもので、人に感染する「コロナウイルス(7種類)」の一つです。このウイルスは、ヒトに対して病原性があり、感染症の「急性呼吸器疾患(COVID-19)」を引き起こし、2020年2月に国際ウイルス分類委員会(ICTV) が「SARS-CoV2(Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2)」と命名しました。

新型コロナウイルスのパンデミック

新型コロナウイルスは、2019年12月に中国の武漢市で原因不明の肺炎患者が初めて報告され、2020年1月に原因が新種のコロナウイルスと特定され、1月の半ば頃から武漢を中心に中国で感染が拡大しました。当初は、中国だけの問題と軽視されていましたが、それが緩やかに世界各国に伝播し、2020年3月に入ってから欧州や米国などで急速に感染が広がり、ついにパンデミック(世界的大流行)となりました。

2019年12月の推移

・2019/12/08:中国の武漢で原因不明の肺炎患者が報告
・2019/12/31:中国からWHOへ最初の報告

2020年1月の推移

・2020/01/07:新種のコロナウイルスを確認
・2020/01/09:中国で最初の死者が発生
・2020/01/16:日本で中国人感染者を確認
・2020/01/20:中国でヒト-ヒト感染の確認を発表
・2020/01/23:中国の武漢市が感染拡大で封鎖
・2020/01/30:日本国内の感染者が10人を突破、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置
・2020/01/31:WHOが国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を宣言

2020年2月の推移

・2020/02/01:全世界の感染者が1万人を突破
・2020/02/05:横浜港に停泊するダイヤモンドプリンセス船内で感染者を確認。14日間の隔離措置を開始。この間、船内で感染者が多数発生
・2020/02/11:WHOが感染による急性呼吸器疾患(新型肺炎)を「COVID-19」と命名。中国本土で感染者が42,000人を突破、全世界で死亡者が1000人を突破
・2020/02/13:全世界の感染者が5万人を突破、日本で最初の死亡者が発生
・2020/02/21:日本国内の感染者が100人を突破、ダイヤモンドプリンセスから乗客が下船
・2020/02/26:韓国で感染者が1000人を突破
・2020/02/27:安倍首相が日本全国の学校に休校要請
・2020/02/28:北海道で緊急事態宣言
・2020/02/29:イタリアで感染者が1000人を突破

2020年3月の推移

・2020/03/07:全世界で感染者が10万人を突破
・2020/03/08:全世界で感染確認された国・地域が100に到達
・2020/03/09:コロナによる原油需要減の減産協議が決裂、ロシアとサウジアラビアの原油価格戦争の影響により原油価格が急落
・2020/03/10:日本政府は感染拡大を歴史的緊急事態に指定
・2020/03/11:WHOがパンデミック(世界的な大流行)とみなせると表明
・2020/03/12:米国が欧州からの入国停止を発表
・2020/03/19:全世界で感染者が20万人を突破、イタリアが死亡者数で世界最多になる
・2020/03/20:全世界で死亡者が1万人を突破
・2020/03/21:日本国内の感染者が1000人を突破
・2020/03/23:全世界で感染者が30万人を突破
・2020/03/25:スペインが死亡者数でイタリアに次ぐ
・2020/03/26:全世界で死亡者が2万人を突破
・2020/03/27:全世界で感染者が50万人を突破、米国が感染者数(10万人超)で世界最多になる
・2020/03/28:イタリアの死亡者が1万人を突破
・2020/03/30:全世界で死亡者が3万人を突破、イタリアの感染者が10万人を突破

2020年4月の推移

・2020/04/01:米国の感染者が20万人を突破、スペインの感染者が10万人を突破
・2020/04/02:全世界で感染者が100万人を突破、スペインの死亡者が1万人を突破
・2020/04/06:米国の死亡者が1万人を突破
・2020/04/07:日本国内の感染者が5000人を突破・緊急事態宣言を発令、フランスの死亡者が1万人を突破
・2020/04/08:ドイツの感染者が10万人を突破
・2020/04/09:英国の死亡者が1万人を突破
・2020/04/10:全世界で死亡者が10万人を突破
・2020/04/11:米国の感染者が50万人を突破
・2020/04/14:フランスの感染者が10万人を突破
・2020/04/15:全世界で感染者が200万人を突破
・2020/04/16:英国の感染者が10万人を突破
・2020/04/18:日本国内の感染者が1万人を突破
:2020/04/23:トルコの感染者が10万人を突破
・2020/04/26:全世界で死亡者が20万人を突破
:2020/04/27:米国の死亡者が5万人を突破
・2020/04/28:全世界で感染者が300万人を突破、米国の感染者が100万人を突破
・2020/04/30:ロシアの感染者が10万人を突破

2020年5月の推移

・2020/05/02:日本国内の死亡者が500人を突破
・2020/05/03:日本政府が緊急事態宣言の延長を発表
・2020/05/04:ブラジルの感染者が10万人を突破
・2020/05/08:米国の失業率が世界恐慌以降で最悪になる
・2020/05/09:全世界で感染者が400万人を突破、ブラジルの死亡者が1万人を突破
・2020/05/12:米感染研究所長が早期の経済再開に警告
・2020/05/14:全世界で死亡者が30万人を突破、日本政府が緊急事態宣言の一部解除
・2020/05/19:米国の感染者が150万人を突破、インドの感染者が10万人を突破
・2020/05/21:全世界で感染者が500万人を突破

新型コロナウイルスによる世界的な株価大暴落

2020年は、前年に引き続き、世界的に株価が堅調に推移するとの予測が多く、新型コロナウイルス(新型肺炎)がブラックスワンとなって、世界的な株価大暴落を引き起こすとは誰も考えもしませんでした。

実際、1月下旬に中国が武漢市を封鎖し、2月半ばに日本がダイヤモンドプリンセスの検疫であたふたしていた頃は、世界の株価は絶好調で、世界の多くの人は、新型肺炎がパンデミックになるとは思いもしませんでした。当時、WHOさえも、その深刻性を認識しておらず、過小評価していました。

そのような楽観的な雰囲気の中、2月半ば頃から新型肺炎の感染拡大が少しずつ意識されだされ、2月24日にイタリアの感染拡大でダウ平均が突然、1000ドルを超える値下がりとなり、世界的な株価大暴落の号砲となりました。その後、約1カ月間、市場は恐怖に覆われ、3月23日にダウ平均が当面の下値(18,591.93)をつけるまで下落が続きました。

米国の大統領選でトランプ氏の勝利が決まった2016年11月8日には18,300ドル台にすぎなかったダウ平均が、3年余りで驚異的な上昇を遂げ、2020年2月12日には史上最高値の29,551.42(終値)をつけ、3万ドル台の射程圏内に入っていました。それが、わずか1カ月で1万ドル超の大暴落をして、トランプ相場は終わり、世界経済は大きく変わりました。

2020年2月の推移

・2020/02/03:中国の株価指数が暴落(2015年のチャイナショック以来の下げ)
・2020/02/12:米国のダウ平均が史上最高値29,551.42(終値)を更新
・2020/02/24:米国のダウ平均がイタリアの感染拡大で、1031.61ドル(-3.56%)暴落
・2020/02/25:日本の日経平均が781.33円(-3.34%)暴落
・2020/02/27:米国のダウ平均が新型肺炎の拡大懸念で、1190.95ドル(-4.42%)暴落

2020年3月の推移

・2020/03/09:原油急落と新型肺炎の懸念で世界的な株価暴落(日経平均が-5.07%、FTSE100が-7.69%、DAXが-7.94%、CAC40が-8.39%、ダウ平均が-7.79%)
・2020/03/12:米国の欧州からの入国禁止措置で世界的な株価大暴落(FTSEが-10.87%、DAXが-12.24%、CAC40が-12.28%、ダウ平均が-9.99%)
・2020/03/13:前日の流れを引き継ぎ、日経平均が暴落(-6.08%)
・2020/03/16:新型肺炎による景気後退懸念の拡大で、米国のダウ平均がブラックマンデー(1987年)以来の大暴落(-2997.10ドル、-12.9%)
・2020/03/18:VIX指数が一時85.47、米国のダウ平均は-6.30%の暴落
・2020/03/19:日本の日経平均が16,552.83(終値)で当面の下値
・2020/03/23:米国のダウ平均が18,591.93(終値)で当面の下値

※2020年3月は、基軸通貨の米ドルを確保する動きが広がり、外国為替市場で米ドルが名目実効レートで34年ぶりの高値を付けた。

コロナショックの政策対応

コロナショックは、新型コロナウイルス(SARS-CoV2)の感染者の指数関数的な増加により、欧米やアジアなど世界各国で経済活動が停滞し、短期間で経済が大きく悪化し、リーマンショックを超えるとも言われます。また、従来の金融・経済危機とは異なり、人命面でも甚大な被害があるため、「経済対策」と「感染症対策(ウイルス対策)」の二つを同時に行う必要があります。

なお、コロナショックの収束のカギは「治療薬」と「ワクチン」で、その開発・製造は時間との戦いとなり、さらに感染が世界的に急増する中、ゆとりある国からの医療支援も重要となります。また、金融経済面では、世界的な信用収縮を防ぐために、潤沢な米ドルを供給する必要があります。

日本の政策対応

日本は、政府内に新型コロナウイルス感染症対策本部を設置していますが、首相(政治)主導の政策対応が行われる傾向があります。また、実際の地域対応は、各自治体が主体となっています。

・検査の絞り込み
・学校の一斉休校
・大規模イベントの自粛要請
・首都圏で外出の自粛要請
・中小企業の資金繰り支援
・緊急経済対策(家計と企業の支援)
・日銀の資金供給拡大、量的緩和拡大
・入出国制限 他

中国の政策対応

中国は、世界で最初に新型コロナウイルスに見舞われた国で、ウイルス対策では、中央政府の主導のもと、中国疾病管理予防センターが中心となって行っています。

・国家主体の強権的な対応
・武漢閉鎖(都市閉鎖)
・検査の徹底、感染者の管理
・一部地域の企業の操業停止
・財政出動の拡大
・欧州等への物資の支援
・入出国制限 他

米国の政策対応

米国は、国全体の政策対応は大統領府が行っていますが、各州の政策対応は州政府が行っています。また、感染症対策は、疾病対策センター(CDC)が中心となって行っています。

・非常事態宣言(国家、一部の州)
・検査の拡充
・学校休校(一部の地域)
・移動制限(一部の地域)
・病院船の派遣(一部の地域)
・2兆ドルの大型経済対策(家計と企業の支援)
・FRBの資金供給拡大、ゼロ金利、量的緩和
・入出国制限 他

欧州の政策対応

欧州は、国よって政策対応が異なりますが、大半の国では、日本と異なり、多くの検査を実施し、感染者数の把握を行っています。また、ドイツなど政策対応が機能している国がある一方で、政策対応の遅れや医療施設の問題から、イタリアやスペインなどで医療崩壊が起っており、多数の死者を出しています。

・非常事態宣言(一部の国)
・検査の拡充
・学校の一斉休校(一部の国)
・都市封鎖(一部の国)
・国境封鎖(一部の国)
・移動制限(一部の国)
・ECB等の資金供給拡大、量的緩和拡大
・柔軟な財政対応による経済対策
・入出国制限 他