起業の金銭面を検討する

起業するにあたって、「お金の問題」は避けて通ることができません。実際に起業すれば、当面落ち着くまで、ビジネスとプライベート、平日と休日の境なく、毎日忙しく過ごすことになります。そういった中で、日々ビジネスをしていく上でも、生活をしていく上でもお金はかかります。とりわけ、事業の資金繰り(キャッシュフロー)が安定するまでは、個人のお金が事業に流れ込むことも決して珍しくありません。

特に起業したてのスタートアップ段階では、事業からの収入がしばらく期待できなかったり、また生活していくのに必要な収入が得られなかったりすることはよくあります。そのため、起業する前に、ビジネスの金銭面だけでなく、プライベートの金銭面についても、しっかりと検討しておくことが必要です。ここでは、ビジネスとプライベートの「ファイナンシャル分析」について簡単にまとめてみました。

ビジネスのファイナンシャル分析

ビジネスをお金の面から検討(採算、資金繰り・・)する場合、「収益性分析」と「資金繰り分析」の2つがあります。

|収益性分析について

収益性分析は、事業を収益面から分析します(売上高、利益額、利益率、損益分岐点・・・)。

・総利益=売上-売上原価
・営業利益=総利益-販管費
・経常利益=営業利益-金融収支
・税引前当期純利益=経常利益-特別損益
・当期純利益=税引き前当期利益-法人税等

|資金繰り(キャッシュフロー)分析について

資金繰り(キャッシュフロー)分析は、事業をビジネスの要となるお金の流れから分析します。

通常、資金繰りを考える場合、「収入面」は事業をやってみなければ分かりませんが(既存ビジネス等はある程度予測可能、新規ビジネスは予測困難)、一方で「支出面」はある程度予測可能です。そのため、起業する前にコスト予測をしっかりと行い、それに見合う収益が得られるかどうかを予め判断することが大切です。

ビジネスの収入面は・・・・
事業収入 売上を上げることに注力。事業の中にキャッシュ(現金)を確実に稼げるビジネスを検討することが必要
ビジネスの支出面は・・・・
会社設立費用 会社形態で事業を始める場合、定款認証や登記などの諸費用
初期費用 事務所の敷金・保証金、設備、通信回線、備品など、事業を始めるのに最低限かかる諸費用。初期費用は出来る限り抑えめに
運転資金 事業をやっていく上でかかる経常的な費用(仕入費、商品開発費、人件費、家賃、光熱費 他)。運転資金をしっかりと把握し、固定費は出来る限り抑めに

プライベートのファイナンシャル分析

将来的に起業するかどうかを収入面から検討する場合、「収入期待分析」と「生活コスト分析」の2つがあります。

|収入期待分析について

例えば、会社勤めをしている人であれば、会社員で得られる収入と起業した場合に得られる収入とを比較し、そのメリットをお金の面から判断します。この場合、単に「年収」だけではなく、「生涯収入」という視点も大切かと思います。

|生活コスト分析について

現実問題として、生活の見通しが立たなければ、起業はできません。これについては、生活に必要なコストを積み上げると同時に、将来の大まかな見通しを立てることで、実際に起業が可能かどうかを判断します。以下は、日々生活していくための具体的なコストです。

プライベートの生活コストは・・・・
基本生活費 食費、公共料金、住居費、教育費、通信費、自動車関連費、交際費、医療費、保険料、交通費 他
税金と社会保険 所得税、住民税、固定資産税、都市計画税、自動車税、健康保険、年金 他
将来的資金 結婚資金、住宅資金、教育資金、老後資金 他