イオン経済圏

イオン経済圏とは、日々の生活の中で、イオングループが運営する、スーパーやショッピングモール、コンビニ、ドラッグストア、ネットショップなどを利用することによって、ポイントが効率的に貯まって使える、お得な生活ができる場(仕組み)をいいます。

イオングループでは、「イオン生活圏」と称されるもので、現在、日本全国において、イオンやイオンモール、ダイエー、マックスバリュ、マルエツ、ミニストップ、ウエルシアといった様々な店舗で構成され、各地域に根差した生活圏(商圏)を形成しています。

目次:コンテンツ構成

イオン経済圏の特色と仕組み

イオン経済圏の概要を理解する上で、主な特色と仕組みについて、簡単に説明したいと思います。

イオン経済圏の特色

イオン経済圏は、ポイントが貯まって使える、ポイント経済圏の一つで、「WAON POINT」がイオングループの共通ポイントとなっています。

昨今、日本には、イオン経済圏の他に、楽天経済圏、PayPay経済圏、ドコモ経済圏、au経済圏などがあると言われていますが、これらの中で、イオン経済圏には、他の経済圏と比べて、異なる特色が3つほどあります。

(1)ショッピングモールからスーパー、コンビニ、専門店まで、多様な規模で展開する小売事業を基盤にしたものである。

(2)街中にリアルの実店舗があり、日々の生活の中に根差したものである。

(3)「TOPVALU」などのお得感のあるプライベートブランドの商品を提供している。

ちなみに、イオングループの競合となるセブン&アイグループは、昨今では、コンビニのセブンイレブンが主体となっており、ポイント経済圏というイメージはあまりありません。

イオン経済圏の仕組み

イオン経済圏は、イオングループが合併や買収などで急速に拡大してきたため、2016年に共通ポイントサービスの「WAON POINT」が導入されるまで、グループ全体のポイントの仕組みがありませんでした。また、グループ内の各事業会社が独自に事業展開してきたため、これまでに顧客IDだけでも、90以上あるそうです。

そういった中、2021年に、決済・ポイント・店舗情報が一つになった、イオングループのサービスを一つにまとめる公式アプリの「iAEON」の提供が開始されました。これにより、イオン経済圏において、グループ共通会員の「iAEON会員」が導入され、スライドに載せたようなことができるようになりました。また、将来的には、全ての顧客IDが「iAEON ID」に統合されるとのことです。

なお、ポイントとアプリ以外の仕組みでは、2000年にクレジットカードの「イオンカード」が導入され、2007年に電子マネーの「WAON」が導入され、また直近では、2021年にスマホ決済(コード決済)の「AEON Pay」が導入されています。

イオン経済圏のポイントサービス

現在、イオン経済圏のポイントサービスで分かりずらいのは、「WAON POINT」と「電子マネーWAONポイント」の二つがあることです。

この二つの違いは何かと言うと、WAON POINTは、イオングループの共通ポイントなのに対して、電子マネーWAONポイントは、電子マネーのWAONの利用で付与されるポイントになっています。

どちらも、「WAON」が入った似たような名称であり、この二つの違いを知らずに利用されている方も多いのではないでしょうか?

WAON POINT

WAON POINTとは、イオングループの共通ポイントサービスをいいます。

これは、イオングループを中心としたWAON POINT加盟店での支払いの際に、ポイントカードのWAON ポイントカード、クレジットカードのイオンカード、電子マネーのWAON、スマホ決済のAEON Payなどを利用することによって貯まるものです(有効期限は、1年間のポイント加算期間を含む、最大2年間)。

現在、WAON POINTは、対象店舗や利用ツールによって貯め方が異なりますが、最も身近なイオングループでの貯め方について、簡単に紹介したいと思います。

◎WAON POINTカードでは、現金での支払い時に提示すると、200円(税込)ごとに1ポイントが貯まる。

◎イオンカードでは、通常のカード決済で、200円(税込)ごとに1ポイントが貯まり、またイオングループの店舗でのカード決済では、200円(税込)ごとに2ポイントが貯まる。

◎WAON(電子マネー)とAEON Pay(スマホ決済)では、イオングループの店舗でキャッシュレス決済をした場合に、200円(税込)ごとに2ポイントが貯まる。

なお、貯まったWAON POINTは、1WAON POINT=1円として買い物に利用できたり、また様々なアイテムに交換できたりするほか、電子マネーのWAONにもチャージできます。

電子マネーWAONポイント

電子マネーWAONポイントとは、電子マネーのWAONが利用できる「WAON加盟店」において、電子マネーのWAONで決済した際に付与されるポイントをいいます。これは、通常、200円(税込)毎に1ポイントが貯まり、また貯まったポイントは、1ポイント=1円分として、電子マネーのWAONに交換して利用できます。

現在、電子マネーWAONポイントで分かりずらいのは、WAON POINTの公式サイトの「smart WAON」で会員登録(所有者情報登録)をすることによって、イオングループの対象店舗でのポイント付与が2倍になると共に、付与されるポイントが「電子マネーWAONポイント」ではなく、イオングループの共通ポイントの「WAON POINT」になることです。

すなわち、電子マネーのWAONは、会員登録をすることによって、イオングループ外では、通常の「電子マネーWAONポイント」が付与されるのに対して、イオングループでは、共通ポイントの「WAON POINT」が付与され、これについては、結構知らない人も多いのでご注意ください。

イオン経済圏の対象範囲

イオン経済圏は、大きく分けて、電子マネーの「WAON(ワオン)」が利用できる「広範囲のイオン経済圏」と、イオングループが顧客にポイントや割引などのお得感のあるメリットを提供する「中核のイオン経済圏」の二つから構成されます。

イオン経済圏

中核のイオン経済圏

中核のイオン経済圏は、イオングループが顧客(利用者)にポイントや割引など、お得感のあるメリットを直接提供する所で、これに関しては、WAON POINTの公式サイトの「smart WAON」に、「WAON POINT加盟店」として記載してあります。

現在、WAON POINT加盟店は、大きく分けて、「街のお店」と「ネットショップ」に分けられます。

◎街のお店では、代表的な所として、スーパーでは、イオンやダイエー、マックスバリュ、まいばすけっとなどがあり、ショッピングモール・商業施設では、イオンモールやイオンタウン、VIVREなどがあり、コンビニでは、ミニストップがあり、またドラッグストアでは、ウエルシアやハックなどがある。その他にも、アパレルのタカキュー、靴のASBEE、イオンシネマ、イオンバイク、イオンペットなどがある。

◎ネットショップでは、代表的な所として、イオンネットスーパー、イオンスタイルオンライン、イオンショップ、Green Beansなどがある。

イオングループの金融サービス

イオン経済圏では、ショッピングモールやスーパー、コンビニ、専門店など、多様な規模で展開する小売事業の他に、総合金融事業も展開しています。

現在、イオングループの総合金融事業は、イオンフィナンシャルサービスが統括し、その傘下には、イオン銀行、イオン・アリアンツ生命保険、イオン保険サービス、イオン住宅ローンサービスなどがあります(投資信託等の資産運用では、マネックス証券と業務提携)。この中で、イオン経済圏の金融サービスで大きな役割を果たすのが「イオン銀行」です。

◎預金からローン、保険まで、フルラインナップの商品・サービスを提供。

◎イオン銀行に口座を持つ方なら、イオン銀行ATMの手数料がいつでも無料。

◎特典サービスとして、対象取引の利用に応じて、自動的に「イオン銀行スコア」が貯まり、決定したステージ(ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ)毎の特典を受けられる、「イオン銀行Myステージ」も提供されている。

広範囲のイオン経済圏

広範囲のイオン経済圏は、電子マネーの「WAON」が使える所で、これに関しては、「WAON」の公式サイトの「使えるお店」に記載してあります。

2023年9月時点で、電子マネーの「WAON」が使える所は、日本全国で127万か所を超え、イオングループだけでなく、様々なお店やサービスで広く使えるようになっています。

例えば、有名な所では、コンビニのファミリーマートやローソン、専門店のビックカメラやエディオン、しまむら、コナカ、ABC MART、イケア、飲食店のマクドナルドや吉野家、安楽亭、コメダ、CoCo壱番屋、王将、はなまる、てんやなどが挙げられます。

イオン経済圏のツール

イオン経済圏のツールについて、5つほど、簡単に紹介したいと思います。

電子マネー(WAON)

WAON(ワオン)とは、街中のWAON加盟店で利用できる、端末にかざして支払う、非接触型決済方式の電子マネーです。

これは、事前にチャージ(入金)をして、支払いをするプリペイド型(前払い)の電子マネーで、大きく分けて、カードタイプとモバイルタイプの二つがあります。また、カードタイプには、WAONの専門カード、クレジットカード一体型、キャッシュカード一体型の三つがあります。

なお、ポイント面では、会員登録した場合、イオングループ外では「電子マネーWAONポイント」が付与されるのに対して、イオングループでは「WAON POINT」が付与されます。

スマホ決済サービス(AEON Pay)

AEON Pay(イオンペイ)とは、スマートフォンに「iAEONアプリ」または「イオンウォレットアプリ」を入れて利用する、スマホ決済サービスです。

これは、イオングループを中心としたAEON Pay加盟店で利用できるもので、PayPayや楽天ペイなどと同様、コード決済方式となっています。また、支払方法では、イオンカード払いとチャージ払い(イオンカード、銀行口座)の二つが用意されています。

なお、ポイント面では、アプリの登録時に、WAON POINTが利用できるようになるため、コード決済でWAON POINTが貯まり、また貯まったWAON POINTはアプリで使えるようになっています。

クレジットカード

イオン経済圏のクレジットカードには、「イオンカード」や「イオンカードセレクト」などがあります。

イオンカードは、イオンフィナンシャルサービスが発行するクレジットカードで、現在、様々な種類がありますが、その中でも、クレジットカードと電子マネーのWAONが一枚になった、年会費無料の「イオンカード(WAON一体型)」が定番となっています。

また、イオンカードセレクトは、イオン銀行の口座申込が必要ですが、キャッシュカード、クレジットカード、電子マネーのWAONが一枚になった年会費無料のカードで、その利便性から申込数がNo.1となっています。

なお、ポイント面では、イオンカード(WAON一体型)とイオンカードセレクトのどちらも、WAON POINTと電子マネーWAONポイントの二つのポイントサービスに対応しています。

ポイントカード

イオン経済圏のポイントカードには、発行手数料・年会費無料の「WAON POINTカード」があります。WAON POINTカードは、イオングループなどのWAON POINT加盟店において、現金やイオン商品券での支払い時に提示することで、200円(税込)ごとに1ポイントが貯まります。

◎現金やイオン商品券での支払い時にポイントを貯められるもの。

◎貯まったポイントを使うには、会員登録が必要。

アプリ

イオン経済圏を便利に使うアプリには、「iAEONアプリ」があります。iAEONアプリとは、スマートフォンに入れて利用する、決済・ポイント・店舗情報が一つになった、イオングループの公式アプリです。

◎街中のお店で、スマホ決済の「AEON Pay」や電子マネーの「WAON」が支払いに利用できる。

◎iAEONの会員コード提示やAEON Payで、WAON POINTを貯めたり、使ったりすることができる。

◎よく行くお店を登録することで、クーポンなどのおトク情報が届くようになっている。

イオン経済圏のメリット

イオン経済圏のメリットについて、5つほど紹介したいと思います。

ポイントや割引

イオン経済圏の一つ目のメリットは、ポイントが優遇されたり、割引となったりするキャンペーンが頻繁に行われていることです。

例えば、定期的にポイントが優遇されるものとして、毎月10日の「ありが10デー」や、毎月5日・15日・25日の「お客さまわくわくデー」があります。また、定期的に割引となったりするものとして、毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」や、55歳以上のお客様を対象とした毎月15日の「G.G感謝デー」があります。

この部分は、結構気になるものかと思いますので、最新の情報は、イオンリテールやWAON POINTなどのサイト、イオンお買物アプリなどでご確認ください。

プライベートブランド

イオン経済圏の二つ目のメリットは、お得感のあるプライベートブランドの商品を提供していることです。

現在、イオンでは、プライベートブランドとして、「TOPVALU(トップバリュ)」「トップバリュ グリーンアイ」「トップバリュベストプライス」「トップバリュ セレクト」の4つのブランドが用意されています。

◎トップバリュは、お客さまの暮らしにソリューションを提案し続ける新価値創造ブランドとなっている。

◎トップバリュ グリーンアイは、自然環境の持続可能性を追求するオーガニック&ナチュラルブランドとなっている。

◎トップバリュベストプライスは、お馴染みのメーカー商品以上の品質で地域一番価格を目指す満足品質ブランドとなっている。

◎トップバリュ セレクトは、毎日の暮らしに最上質の体験を提供するブランドとなっている。

イオンゴールドカード

イオン経済圏の三つ目のメリットは、イオンカードの会員の場合、所定の条件を達成すると、年会費無料の「イオンゴールドカード」が発行されることです。イオンゴールドカードとは、年間カードショッピングが50万円以上の方に対して発行されるプレミアムカードです。

具体的なメリットとして、従来の特典に加えて、より充実した、ショッピングセーフティ保険、海外旅行傷害保険、国内旅行傷害保険が付帯し、また国内空港ラウンジも利用でき、ワンランク上のサービスが受けられます(イオンラウンジの利用は、年間100万円以上の方が対象)。

イオンカードポイントモール

イオン経済圏の四つ目のメリットは、イオンカードの会員の場合、「イオンカードポイントモール」が利用できることです。

現在、イオン経済圏の弱点として、楽天経済圏やPayPay経済圏などと比べて、ネット面のポイント対象が小さいことが挙げられます。これに関しては、イオンカードポイントモールを使うことで、ネットショッピングや宿泊予約、サービス予約、アンケート、ゲーム、ふるさと納税などでポイント(WAON POINT)が効率的に貯められます。

株主優待特典

イオン経済圏の五つ目のメリットは、イオンの株主となった場合、「株主優待特典」が受けられることです。これは、株価の値下がりリスクはありますが、現在、イオンの株主になると、年二回の配当金の他に、キャッシュバックや割引、優待料金などの特典を受けられる「オーナーズカード」を利用できます。

・3/1-8/末の買物に対し、10月に返金
・9/1-2/末の買物に対し、4月に返金

また、3年以上継続して株式を保有し、かつ毎年2月末日時点の株主名簿に基づき、1000株以上保有の株主には、保有株式数に応じた「イオンギフトカード」が進呈されます。

なお、イオンの株主になるには、証券会社でイオンの株式を100株以上購入し、株主権利確定日(8月末日、2月末日)の株主名簿に記載が必要です。

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