海底熱水鉱床
読み方: | かいていねっすいこうしょう |
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分類: | 資源 |
海底熱水鉱床は、水深500~3000メートルの海底面から噴出する熱水に含まれる金属成分が海水に冷やされて沈澱した鉱床をいいます。これは、チムニー(熱水噴出口)やマウンド(熱水噴出口などがある小高い山)から形成され、周辺部は特殊な生態系を有します。
世界(地球)の中で、地理的にはマグマ活動が活発な海域に多く、1965年に紅海で発見されて以来、ガラパゴス海嶺、東太平洋海膨、大西洋中央海嶺、沖縄トラフなどで次々と発見され、現在、注目されている海底金属資源の一つとなっています(日本近海の排他的経済水域にも多く存在)。
一般に海底熱水鉱床は多金属硫化物鉱床で、実際に回収が期待される鉱物として、ベースメタル(銅、鉛、亜鉛)や貴金属(金、銀)の他に、レアメタル(ガリウム、ゲルマニウム、カドミウム、セレン、テルル)があります。また、鉱床の大きさは数万~数百万トンで、鉱床1トン当たり、金が数グラムから数十グラム、銀が数百グラムから千数百グラム存在するとされます。
なお、海底熱水鉱床の開発は、世界的に事業化例はまだなく、また鉱床開発のためには、環境への影響についての十分な配慮が必要となり、海洋環境への影響を低減する採鉱技術等の開発に向けての調査・対応が課題となっています(経済産業省の資源エネルギー庁が管轄)。