北極海航路

北極海航路は、北極海を通って太平洋と大西洋を行き来する航路をいいます。これは、アジアとヨーロッパを結ぶ新たな航路として注目されており、ロシア沿岸を通るルート（北東航路）と北米大陸沿岸を通るルート（北西航路）の二つがあります。

前世紀（20世紀）までは、航路として開通したことはありませんでしたが、21世紀に入り、地球温暖化の影響により北極海の海氷が大きく減少し、夏季においては、航路として開通するようになりました（残りの期間は海氷や流氷などに覆われて航行不能）。

一般にアジアとヨーロッパの間の海上輸送の場合、北極海航路の距離は、スエズ運河経由の3分の2、喜望峰経由の2分の1となり、例えば、1カ月の航路なら1週間の短縮となります。

また、北極海航路を利用した場合、時間面やコスト面だけでなく、海賊の多い危険なソマリア沖などを通過しなくてもよいという安全面の利点もあります。