FPSO

FPSOは、"Floating Production, Storage and Offloading system"の略で、日本語では「浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備」と呼ばれ、洋上で石油や天然ガスを生産し、生産したものを設備内のタンクに貯蔵して、直接輸送タンカーへの積出を行う設備をいいます。

海に浮かぶ巨大なタンカーの上にプラントを据え付けたもので、アンカーで海底に係留して船体（Hull）をとどめ、海底の地下から採掘した石油や天然ガスを送って海水や泥を取り除き、貯蔵・積出を行います。

一般にFPSOの船体は、新造するケース（New-Build）と中古タンカーを改造するケース（Conversion）の二つがあり、また係留設備が取り付けられた船体には、貯蔵用のタンクの他、生産設備、コントロールシステム、ボイラー、各種ポンプ等のユーティリティ用の設備、消火装置、救命艇、ヘリコプターデッキ、クレーン、クルーの居住設備、積出設備などが設置されます。

現在、FPSOは、陸上の有望油田の新発見が少なくなる中、陸地から遠く離れた深海などにある油田やガス田の開発に対応できるため、世界各地で稼働しています。ちなみに、洋上プラント建造で世界上位の三井海洋開発は、FPSOで世界二強の一角を占めています。