デミングサイクル

英語: Deming cycle
分類: 製造

デミングサイクルは、「デミングサークル」とも呼ばれ、「PDCAサイクル」の基になった概念をいいます。

日本における統計的品質管理の進歩・発展に大きく貢献した米国の統計学者エドワーズ・デミングに由来する呼称で、1950年にデミング氏が日本科学技術連盟(日科技連)で統計的品質統制の講演を行った際に、師事したウィリアム・シューハートの「シュワートサイクル」を変更し、「設計(Design)→ 生産(Produce)→ 販売(Sell)→ 再設計(Redesign)」として紹介しました。

また、この講演を聞いた日科技連の幹部が「PDCAサイクル」を提唱したと言われています。

※シュワートサイクル(Shewhart Cycle):仕様(Specification)→ 生産(Production)→ 検査(Inspection)

現在、日本において、PDCAサイクルは、「Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)」の仮説・検証型プロセスを循環させ、生産技術やマネジメントなどの品質を高めていく概念として広く使われており、「PDCAサイクル=デミングサイクル」と説明されることも多いですが、正しく言えば、この二つはイコール(同じ)ではありません。

実際に1980年代にデミングは、講演でPDCAは正しくないと注意を促しており、その後、晩年の1993年にPDCAの「C(Check):評価」を「S(Study):調査」に置き換えた「PDSAサイクル」にすべきと主張しました(「check」が「hold back(食い止める)」という意味で不正確であることから)。

◎デミングサイクルと言った場合、1950年の「DPSR:Design-Produce-Sell-Redesign」と1993年の「PDSA:Plan-Do-Study-Act」の二つがあり、一般的には後者の「PDSA」を指す。

◎デミングは、デミングサイクルが複数の異なった部門にまたがって適用され、循環されることを想定した。

◎デミングの想定どおり、大半の日本企業は、PDCAを管理(計画・指揮・統制)する側と実行する側にまたがって適用し、循環している。

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