割賦販売法
読み方: | かっぷはんばいほう |
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分類: | 法律 |
割賦販売法(割販法)は、1961年に制定された、割賦販売における公正で健全な取引の維持と消費者の保護を目的とした法律をいいます。これは、クレジット取引等を対象に、事業者が守るべきルールを定めたもので、購入者等の利益を保護すること、割賦販売等に係る取引を公正にすること、商品等の流通や役務の提供を円滑にすること、などを目的としています。
目次:コンテンツ構成
割賦販売法の対象とする取引形態
割賦販売法の対象とする取引形態は、割賦販売(自社割賦)、ローン提携販売、信用購入あっせん(クレジット)の3つとなっています。また、与信形態及び返済方法によって、包括方式と個別方式に分類されます。
・割賦販売:2カ月以上かつ3回払い以上
・ローン提携販売:2カ月以上かつ3回払い以上
・信用購入あっせん:2カ月を超える(ボーナス一括払いも含む)
※ローン提携販売において、個別方式は信用購入あっせんに含まれる。
割賦販売法の改正ポイント(2021年施行)
2020年に改正、2021年に施行された改正割賦販売法の主なポイントは、以下のとおりです。
・認定包括信用購入あつせん業者の創設
・登録少額包括信用購入あつせん業者の創設
・クレジットカード番号等の適切管理の義務主体の拡充
・書面交付の電子化
・業務停止命令の導入
割賦販売法の改正ポイント(2018年施行)
2016年に改正、2018年に施行された改正割賦販売法の主なポイントは、以下のとおりです。
・加盟店におけるセキュリティ対策の義務化
・クレジットカード番号等取扱契約締結事業者の登録制度
・加盟店調査などの義務化
割賦販売法の改正ポイント(2010年施行)
2008年に改正、2010年に施行された改正割賦販売法の主なポイントは、以下のとおりです。
悪質商法を助長する与信の防止
◎個別クレジットを行う事業者を登録制の対象とし、行政による監督規定を導入。
◎個別クレジットを行う事業者に訪問販売等を行う加盟店の行為について調査することを義務づけ、不適正な勧誘があれば、消費者へ与信することを禁止。
◎訪問販売等による売買契約が虚偽説明等により取り消される場合や、過量販売で解除される場合、個別クレジットも解約し、消費者が既に支払ったお金の返還も請求可能に。
過剰与信の防止
◎クレジット業者に対し、指定信用情報機関を利用した支払能力調査を義務づけるとともに、支払能力を超える与信を禁止。
規制範囲の拡大
◎割賦の定義を見直し、2カ月を超える1回払い、2回払いも規制対象に(従来は3回払い以上)。
◎原則すべての商品・役務を扱う取引を規制対象に。
クレジットカード情報の保護
◎個人情報保護法でカバーされていないカード情報の漏洩や不正入手をした者を刑事罰の対象に。
割賦販売法の目的と条文構成
割賦販売法の目的と条文構成は、以下のようになっています。
割賦販売法の目的(第1条1項)
この法律は、割賦販売等に係る取引の公正の確保、購入者等が受けることのある損害の防止及びクレジットカード番号等の適切な管理等に必要な措置を講ずることにより、割賦販売等に係る取引の健全な発達を図るとともに、購入者等の利益を保護し、あわせて商品等の流通及び役務の提供を円滑にし、もつて国民経済の発展に寄与することを目的とする。
割賦販売法の条文構成
第一章 総則
第二章 割賦販売
・第一節:総則
・第二節:割賦販売の標準条件
・第三節:前払式割賦販売
第二章の二 ローン提携販売
第三章 信用購入あつせん
・第一節:包括信用購入あつせん
・第二節:個別信用購入あつせん
・第三節:指定信用情報機関
・第四節:適用除外
第三章の二 前払式特定取引
第三章の三 指定受託機関
第三章の四 クレジットカード番号等の適切な管理等
第三章の五 認定割賦販売協会
第四章 雑則
第五章 罰則
附則