IS曲線
読み方: | あいえすきょくせん |
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英語: | IS curve |
分類: | 概念 |
IS曲線は、財市場(モノやサービスの市場)において、総需要と総供給が均衡するような利子率と国民所得の組み合わせを表す曲線をいいます。
IS-LM分析で使われるもので、Iが投資(Investment)、Sが貯蓄(Saving)を意味し、縦軸に利子率、横軸に国民所得を取った場合、右下がりの曲線になり、通常、利子率が上がると国民所得が減少し、また利子率が下がると国民所得が増加するという関係を表します。
一方で、IS曲線に対して、流動性選好(Liquidity Preference)と貨幣供給(Money Supply)の関係を表し、実質貨幣の需要と供給が一致する、または貯蓄と投資が等しくなる貨幣市場の均衡を表す右上がりの曲線を「LM曲線」と言います。
一般にIS-LM分析とは、ケインズの理論をもとにヒックスが考案した、財市場と貨幣市場が同時に均衡する「利子率と国民所得の組み合わせ」を求めるマクロ経済学の分析手法で、具体的には、財政政策や金融政策の効果を分析することができます。
昨今では、物価水準が硬直的であると仮定するなど、モデル設定に実体経済とは乖離した部分があり、また金融政策の長期的な有効性にも疑問の声が多く、本分析の影響力は薄れつつあります。
※ジョン・ヒックス(John Richard Hicks):1904/4/8-1989/5/20、英国の経済学者でノーベル経済学賞を受賞。現在のミクロ経済学・マクロ経済学の全般に貢献。