ラチェット効果
読み方: | らちぇっとこうか |
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英語: | Ratchet effect |
分類: | 行動経済学 |
ラチェット効果(Ratchet effect)は、いったん進行した、あるいは既に発生した人間のプロセスが元に戻ることが抑制される現象をいいます。
米国の経済学者であったジェームズ・デューゼンベリー(1918-2009)が提唱したもので、元々は、景気の後退期に消費性向が上昇することで、個人消費や景気全体が一方向に傾くことに歯止めが掛かる現象を指し、またラチェット(ratchet)とは歯止めという意味です。
現在、ラチェット効果は、経済だけでなく、ビジネスや社会など様々な分野で見られ、その典型的な現象が「ラチェット効果」と称されています。
◎増税等で可処分所得が減少したり、インフレで実質的な購買力が低下したりしても、貯蓄を取り崩すなどして、消費者がそれまでの消費水準をしばらくの間維持しようとする。
◎スポーツ選手やエリート会社員など高収入だった人が、引退後やリストラ後も贅沢な暮らしを続けてしまい、財産を大きく減らし、中には破産する人もいる。
◎成果主義を導入している企業において、頑張って高い目標をクリアするほど、さらに高い目標を課されることから、優秀な社員ほど仕事(成果)を控えるようになり、結果として企業も社員も成長が鈍化してしまう。