資金循環統計
読み方: | しきんじゅんかんとうけい |
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分類: | 日本 |
資金循環統計は、日本銀行調査統計局が作成する、日本における金融機関や法人、家計、政府といった各部門の金融資産・負債の推移などを、預金や貸出といった金融商品毎に包括的に記録した統計をいいます。
現在、統計の公表は、四半期を一つの期間とし、当該四半期の約3ヶ月後に速報が、約6ヶ月後に確報が公表されます。
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資金循環統計の概要
資金循環統計は、一つの国で生じる金融取引や、その結果として保有された金融資産・負債を、企業・家計・政府といった各経済主体毎に、かつ金融商品毎に包括的に記録した統計です。具体的には、経済主体(部門)を列、金融商品(取引項目)を行とするマトリックス表上に計数を表示し、その計数は複式簿記の考え方に則って記録されています。
現在、統計の公表は、四半期を一つの期間とし、当該四半期の約3ヶ月後に速報が、約6ヶ月後に確報が公表されます。また、原則として、毎年3月の公表時に計数の遡及改定を実施することとしています。
・作成部署:日本銀行調査統計局金融統計担当
・作成周期:四半期毎
・公表時期:3月下旬、6月央、9月央、12月央
資金循環統計の構成
資金循環統計は、「金融取引表」、「金融資産・負債残高表」、「調整表」の3表から構成され、1954年分から作成されています。
|金融取引表|
金融取引によって生じた、期中の資産・負債の増減額を記録。
|金融資産・負債残高表|
取引の結果、期末時点で保有される資産・負債の残高を記録。
|調整表|
金融資産・負債残高表と金融取引表の間の乖離額(金融資産・負債残高表の前期と当期の差分から、金融取引表の取引額を差引いた額)を記録。ここには、期中における資産の評価額の変動(株価変動など)に伴う資産・負債の増減なども含まれる。
資金循環統計の利用法
資金循環統計では、金融資産・負債の動きを細かく、かつ包括的に見ることができるほか、各経済主体間の資金の貸借額、運用・調達額などを通して、資金の流れから経済の動きを捉えることができます。
◎部門別に見ると、各経済主体の金融資産・負債や資金運用・調達額、およびそれらの内容を商品毎に把握することができる。
◎取引項目別に見ると、金融商品、金融市場単位の総額、各経済主体の保有状況などが明らかとなり、またこれらの商品や市場の発展・活況度合を読み取ることもできる。
◎金融部門が非金融部門の資金運用・調達活動にどのように関わっているかということに焦点を当てると、一国の金融仲介構造を分析することもできる。
◎各経済主体の資金過不足を利用することにより、実体経済の動きを金融面から推測することもできる。(各経済主体の資金過不足は、概念上、国民経済計算の純貸出または純借入に一致)