プロシクリカリティ
英語: | Procyclicality |
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分類: | 金融規制 |
プロシクリカリティ(Procyclicality)は、マクロ経済の循環的な変動が金融規制によって増幅されているのではないかという「景気循環増幅効果」のことをいいます。
米国のサブプライムローン問題に端を発した世界金融危機後に注目されたキーワードの一つで、2009年に金融安定化フォーラム(FSF)が公表した一連の報告書の中でも最も多くの紙幅が費やされており、その中で、プロシクリカリティとは、金融セクターと実体経済との間での動態的な相互関連(フィードバック・メカニズム)としています。
また、具体的なフィードバック・メカニズムは、個々の規制や制度に応じて異なりますが、金融セクターと実体経済とが相互に影響しあうことによって、マクロ経済の変動や金融セクターの不安定性が増幅される現象を指すとしています。
一般にプロシクリカリティは、景気循環増幅効果であり、時として金融危機にもつながる可能性があるため、その対策として「プロシクリカリティ緩和」があり、その意義は、景気変動に影響されない規制をビルト・イン・スタビライザー的に導入する点としています。
<プロシクリカリティ緩和策をめぐる論点>
・レバレッジ比率
・景気サイクルを均した最低所要自己資本の推定
・反循環的な自己資本バッファー
・ダイナミック・プロビジョニン
・偶発資本(contingent capital)
・流動性リスクに対する定量規制