ラストベルト
英語: | Rust Belt |
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分類: | 米国 |
ラストベルト(Rust Belt)は、「錆ついた工業地帯」とも呼ばれ、アメリカ合衆国の中西部から北東部ニューイングランドにかけての斜陽産業が集中する地域の呼称をいいます。
米大統領選などの報道で伝えられる用語で、自動車や鉄鋼、石炭などの主要産業が衰退した、イリノイやインディアナ、ミシガン、オハイオ、ペンシルバニア諸州を含む地域(工業地帯)を指し、またラスト(rust)とは、金属の錆のことで、使われなくなった工場や機械を表現しています。
1970年代以降、激化した国際競争への対応策として、製造業者が本地域から米国の他の地域やメキシコ等の外国に工場を移転したことにより、かつて繁栄していた工業地帯の経済が悪化したことにより、本呼称(ラストベルト)が広く使われるようになりました。
一般にラストベルトの経済活動は、米国経済の重工業と製造業の重要な部分を形成している一方で、本地域の多くの都市で製造職の外部委託化が進んで衰退し、産業の多角化や非製造業の拡大が課題となっています(地域によっては、産業の転換や新技術の発展に成功し、復興したところもあり)。
なお、本地域は、今日においても、エンジニアリング職の重要な供給源であり、また製造業の雇用は大きく減少した一方で、高付加価値製品の生産と先進的な生産方式により、工業製品の生産額は増加しています。