キャリー取引
読み方: | きゃりーとりひき |
---|---|
英語: | Carry trade |
分類: | 投資手法 |
キャリー取引(キャリートレード)は、金利の低い通貨で調達(借り入れ)した資金を、外国為替市場で金利の高い他の通貨に交換し、その高金利で運用して金利差収入等を稼ぐ取引をいいます。
ヘッジファンドや機関投資家などの有力な資金調達・運用手法とされるもので、日本円で資金調達を行う場合は「円キャリートレード」、米ドルで資金調達を行う場合は「ドルキャリートレード」、スイスフランで資金調達を行う場合は「スイスフランキャリートレード」と呼ばれます。
一般にキャリー取引は、市場環境によって大きく影響され、うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあります。過去においては、2008年の世界金融危機の際には、円キャリートレードで大きな巻き戻しがあり、多くの投資家が多額の損失を被りました。
目次:コンテンツ構成
キャリー取引の仕組みについて
キャリー取引において、高金利通貨に転換した後に向かう先は、単にその通貨で持つ以外に、外国債券や外国株式、コモディティ、海外不動産など多種多様となっています。また、これ以外にも、実質的に(広義に)キャリー取引と分類されるものがいくつかあります。
例えば、低金利通貨建ての資産を持つ人が、そのまま低金利で運用するのではなく低金利通貨を売って、高金利通貨を買って高金利で運用したり、また高金利通貨建ての負債を持つ人が、そのまま高金利通貨で資金を借り入れる代わりに低金利通貨で資金を借り入れ、高金利通貨に交換して負債を手当てしたりするといった手法なども挙げられます。
キャリー取引の特色について
キャリート取引では、借入通貨と投資通貨との金利差が収益となる以外に、運用される投資商品の収益が上乗せされるため、収益性は非常に高くなります。その一方で、外国為替や金利、株式、不動産などの相場動向によっては、運用がうまくいかなくなることもあり、その場合は、急速に取引が解消されることもあります。
以上のような特色から、キャリー取引は、マーケットが世界的に安定していて、またリスクを十分に取れる環境でないと行うことができないと言えます。