ペイオフレシオ

英語: Payoff Ratio
分類: 運用損益

ペイオフレシオは、「損益率」や「損益レシオ」、「リスクリワードレシオ」とも呼ばれ、勝ちトレードの平均利益額が負けトレードの平均損失額の何倍かを示す数値をいいます。

株式やFXなどの短期トレードがうまくいっているかを検証する指標で、勝率が総トレード回数の中で利益になったトレードの割合を示すのに対して、ペイオフレシオは勝ちトレードの平均利益額と負けトレードの平均損失額の比率を示すものとなっています。

 勝率=利益回数÷総トレード回数
 ペイオフレシオ=平均利益額÷平均損失額

目次:コンテンツ構成

勝率とペイオフレシオの例

例えば、以下のようなトレード(売買)に対して、トータルで勝ったケースと負けたケースの勝率とペイオフレシオを求めてみます。

トータルで勝ったケース

10回のトレードを行って、8万円の利益。

・4回で20万円の利益:平均5万円の利益
・6回で12万円の損失:平均2万円の損失

総合損益=20-12=8万円
勝率=4÷10=0.4
ペイオフレシオ=5÷2=2.5

トータルで負けたケース

10回のトレードを行って、6万円の損失。

・6回で18万円の利益:平均3万円の利益
・4回で24万円の損失:平均6万円の損失

総合損益=18-24=-6万円
勝率=6÷10=0.6
ペイオフレシオ=3÷6=0.5

勝率とペイオフレシオの認識

上記の例のように、勝率が悪くてもトータルで勝つこともあれば、勝率が良くてもトタールで負けることもあり、勝率とペイオフレシオの関係を図で表示すると以下のようになります。

・安全領域:トレードで勝てる(成功)
・危険領域:トレードで負ける(失敗)

勝率とペイオフレシオの関係

一般に勝率は、トレードをやってみないと分からないのに対して、ペイオフレシオは、1回のトレードの利益確定と損切りをある程度明確にしておけば、数値的な目安を設定することができます。

◎ペイオフレシオの値が1.0の場合、勝率が0.50(50%)を越えれば利益が出る。すなわち、1回の利益確定の額と損切りの額が同じであれば、勝率の高さが成功のカギとなる。

◎ペイオフレシオが1.0よりも大きければ、損失が小さく利益が大きいことになる。すなわち、1回の利益確定の額が損切りの額よりも大きければ、勝率が0.50(50%)を下回ってもトータルで勝てる可能性がある。

◎ペイオフレシオが1.0よりも小されば、損失が大きく利益が小さいことになる。すなわち、1回の利益確定の額が損切りの額よりも小さければ、勝率が0.50(50%)を上回ってもトータルで負ける可能性がある。

◎トレードで大切なのは、勝率ではなく、出来る限り利益を大きく取って、損失を抑えることである。適切な損切りができないと、結局は損失が膨らみ、トレードで失敗する可能性が高い。

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