コンセッション

英語: Concession
分類: 公共

コンセッション(Concession)は、国や自治体が空港・上下水道・有料道路等の公共施設を持ったまま、運営する権利(運営権)を民間事業者に売却する仕組みをいいます。

プライベート・ファイナンス・イニシアチブ(PFI)パブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)の一種で、海外(欧米等)で先行した民営化手法であり、昨今、日本において、公的部門の債務が膨らむ中、インフラの維持・管理・更新に充てる財源としても注目されています。

※Concession:日本語では「公共施設等運営権制度」と訳される。

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コンセッションの導入と期待

日本では、1999年に「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)」が制定され、2011年に同法の改正により、公共施設の運営権の概念が確立し、幅広い公共インフラに「コンセッション」を導入できるようになりました。

昨今、公的部門の債務が大きく膨らむ中、空港や上下水道、有料道路、港湾施設などの公共インフラの維持・管理・更新という問題が生じており、国や自治体などの行政が公共インフラを開放することで、民間の経営力や発想などを積極的に取り込み、収益力や利便性の向上が期待されます。

コンセッションの利点(行政と民間事業者)

コンセッションでは、国や自治体などの行政にとっては、運営権の民間売却で収入が得られるほか、民間資金を活用して公共インフラの整備・更新・維持管理ができるといった利点があり、また所有権を保持するため、予期せぬ第三者に買収される懸念がなく、さらに民間事業者が運営に失敗した場合には、契約を通じて運営に関与できます(売却期間は30~50年を想定)。

一方で、運営権を得た民間事業者にとっては、料金を設定して利用者から徴収し、事業運営や事業開発に充てることが可能で、また経営効率化や新事業で生み出した収益は、出資者への配当金に回すことができます(運営権が財産権として認められれば償却が可能、また担保設定により資金調達がしやすいという利点もあり)。

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