企業不動産
読み方: | きぎょうふどうさん |
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英語: | Corporate Real Estate |
分類: | 概念 |
企業不動産は、「CRE」とも呼ばれ、企業が事業のために保有している不動産をいいます。
企業が事業を継続するために使用する全ての不動産を含む概念で、通常、所有分だけでなく賃貸やリースも含まれ、その対象としては、企業が保有または賃借している本支社ビルや事務所、工場、店舗、寮・社宅、研修施設、遊休地などが該当します。
目次:コンテンツ構成
企業不動産の概念
企業不動産という概念は、米国で1960年代に生まれ、現在、米国企業の多くには、これを担当する専門部署が置かれ、職能も確立されています。
一方で、日本においては、減損会計をはじめとする不動産に関わる会計制度の変化もあり、昨今の企業経営で「企業不動産」の位置づけが益々重要になっており、不動産の持つ潜在価値を最大限に引き出し、経営に生かす手法が注目されています。
企業不動産の対象となるもの
企業不動産では、企業が事業を継続していく上で使用する全ての不動産が対象となります。また、投資効率性を確保するにあたっては、本業に関連する「コア資産」と「ノンコア資産」とに区分して考えることが重要になります。
・本社や支店、営業所、店舗、工場、研究所などの事業のための自社施設
・マンションやオフィスビルなどの賃貸物件
・社宅や寮、保養所、遊休地、駐車場などの運用・福利厚生施設
・事業のために賃借している施設
CRE戦略の策定と実践
企業において、不動産全体の価値が上昇すれば、企業価値も向上することになるので、不動産を経営の糧として捉える「効率的な企業不動産戦略(CRE戦略)」を策定することは、今後の企業の財務戦略を考える上で重要な課題となっています。
現在、CRE戦略の実践にあたっては、官民協力の下、その普及や啓発の促進を図るために、国土交通省が公表した「ガイドライン」や「手引き」は一つの参考になります。
CRE戦略で得られる効果と基本的な流れ
CRE戦略は、不動産総合サービス会社や不動産ディベロッパー、コンサルティング会社などが総合的な支援を行っており、下記のような効果を目指しています。
・土地や建物など不動産の有効活用
・資産の効率性の向上、バランスシートの均衡化
・企業体質の健全化、企業価値の向上
・買収に対する防衛、株価の上昇 他
また、CRE戦略の基本的な流れは、調査・分析、戦略策定・スキーム提案、実行、検証というようになっています。
1.全不動産の調査・分析(デューデリジェンス)
2.CRE戦略の策定(不動産毎に適切な手法を検討)
3.具体的なスキームの提案(不動産毎に最善策を計画)
4.CRE戦略の実行(着実な成果を実現)
5.スキームの検証(実効性の検証 他)