ピグー税
【読み方:ぴぐーぜい、分類:概念】
ピグー税(Pigovian tax)は、英国の経済学者であったアーサー・セシル・ピグー(Arthur Cecil Pigou、1877-1959)が主著「厚生経済学(The Economics of Welfare)」で提唱した税をいいます。
環境破壊や環境汚染、薬害など、市場経済がうまく働かず、ある経済活動が社会に被害(悪影響)を及ぼす場合に、その是正のために企業等の経済主体に対して課す税を指し、現在、環境経済学や公共経済学において、本概念がよく使われます。
一般にピグー税は、ある経済活動に必要な費用と社会的な被害相当額の差額を税として課す手法をとり、環境経済学では、最も効率的な外部不経済の是正策であると説明しています。
その一方で、ピグー税を導入する際には、社会的な被害相当額を正確に算出する必要があり、また課税のための行政コストが発生するほか、即効性にも欠けるという問題点もあります。
ちなみに、地球温暖化対策として、欧州などで導入されている環境税や炭素税は、ピグー税の考え方(理論の一部)に基づいています。