無担保債

読み方: むたんぽさい
英語: Unsecured Bond
分類: 債券区分

無担保債は、担保の有無による呼称で、元利金の支払いや償還のための担保を特に付けていない債券をいいます。

万一の支払いや償還の原資に担保の裏付けが全くないため、発行体の信用力に依存する債券となっており、例えば、公共債である国債や地方債、政府関係機関債などが無担保債となっているほか、大手企業などの事業債(社債)も無担保債となっています。

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企業の無担保債の発行

事業債(社債)は、担保の有無によって、有担保債の「担保付社債一般担保付社債物上担保付社債)」と、無担保債の「無担保社債」に分類されます。

現在、一般事業債と転換社債型新株予約権付社債は、財務上一定の条件(発行基準)を満たす企業については、「無担保債(無担保社債)」の発行が可能となっており、市場で発行されている社債は「無担保社債」が主流となっています。

無担保債の概要

企業の無担保債の歴史

長い間、日本では、昭和初期の金融恐慌の教訓から、1933年以降、社債は担保付きで発行されてきました。その後、転換社債については、1973年から条件付きで無担保で発行できるようになり、1979年に松下電器産業(現:パナソニック)が戦後初めて完全な無担保転換社債を発行しました。

そして、1985年にTDKが日本企業による完全無担保の公募普通社債を初めて発行して以降、適債基準の緩和により無担保債を発行できる企業の範囲が広がり、さらに1996年に適債基準が撤廃され、財務制限条項も自由に内容を設定できるようになり、無担保債の発行が一般的となりました。

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