カントリーリスク

英語名: Country risk
分類: リスクとリターン

カントリーリスク(Country risk)は、その国の政治や経済、社会などの見地からの「国の信用リスク」のことをいいます。これは、対外投融資や貿易の対象となる国の信用度のことであり、その国の事情によって、出資金や貸付金、輸出代金などが回収不能となる危険度(リスク)を意味します。

ここでは、基本的なリスクの一つである「カントリーリスク」について、簡単にまとめてみました。

目次:コンテンツ構成

カントリーリスクの定義

カントリーリスクには、様々な定義(説明)がありますが、その中で、日本の代表的な格付機関である「格付投資情報センター(R&I)」では、以下のように定義しています。

<R&Iのカントリーリスクの定義>

海外投融資や貿易を行う際、個別事業・取引の相手方がもつリスクとは別に、相手国・地域の政治・社会・経済等の環境変化に起因して、当初見込んでいた収益を損なう、又は予期せず損失が発生する危険。

カントリーリスクの主な要因

外国の資産に投資したり、外国と輸出入の取引をしたりする場合、国内の資産への投資や商取引と比べて、その国特有の事情によるカントリーリスクに注意する必要があります。以下では、カントリーリスクの代表的な要因を列挙してみました。

・急激なインフレ
・通貨の急落
・格付機関の格下げ
・国債のデフォルト(債務不履行)
・国際収支の悪化等による外貨不足
・政権交代による経済・通商政策の変更
・戦争や内乱に伴う政治・社会の不安定化
・制度変更、外資規制
・テロの危険性、治安の悪化
・高失業率、ストライキ、暴動
・地震やハリケーン、洪水などの自然災害

カントリーリスクの過去の代表例

これまでに、新興国のソブリン債デフォルトになったり、日本企業が新興国投融資で多額の損失を出したりするなど、時の流れの中で、カントリーリスクは時折発生しており、以下は過去の代表例です。

・1959年:キューバ革命による社会主義化
・1979年:イラン革命による体制変更
・1992年:ソ連崩壊による対外債務の支払停止
・1997年-1998年:タイから広がったアジア通貨危機
・2002年:アルゼンチンの債務危機(デフォルト)
・2010年:ギリシャの債務問題

カントリーリスクの認識

カントリーリスクは、世界の全ての国・地域に存在し、現在、国内外の格付機関や調査会社などが具体的な数値や危険度を公表しています。また、日本貿易保険では、国・地域ごとの引受方針として、OECDの評価に基づく、国・地域のリスクカテゴリー表をウェブサイトに掲載しています。

一般にカントリーリスクの分析にあたっては、一人当たりの国民所得や外貨準備高、国際収支、財政状況、対外債務などの経済面以外に、政治や社会などの安定度なども考慮し、総合的な視点から判断されます。通常、発展途上国や新興国のリスクが先進国より高いのが普通ですが、先進国でも経済状況によっては、そのリスクが一気に高まる場合もあります。

なお、個人の資産運用においても、外国通貨や外国株式、外国債券、投資信託(新興国ファンド)などへ投資する場合は、本リスクに注意する必要があります。例えば、身近な投資対象として「新興国ファンド」がありますが、内在するリスクの中で、カントリーリスクの影響は決して小さくないので、その動向には十分に注意が必要です。