TLAC債
読み方: | てぃーえるえーしーさい |
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分類: | 債券通称 |
TLAC債は、「TLAC」と呼ばれる、世界の巨大銀行(G-SIBs)への資本規制に対応するため、銀行持株会社や銀行本体などが発行する社債をいいます。
具体的には、各国の金融当局が認定した「シニア債(社債)」が該当し、予め損失を吸収できる規模の社債を発行しておき、万一の破綻時に当該社債の保有者が損失を負担する仕組みとなっています。
※G-SIBs:Global Systemically Important Banks
一般にTLACとは、"Total Loss-Absorbing Capacity"の略で、日本語では「総損失吸収力」と訳され、日米欧などの金融当局で構成する金融安定理事会(FSB)が2015年に制定した「資本規制(健全性基準)」で、従来のBIS規制とは別物となっています。
その目的は、経営難になった場合に金融市場への影響が大きい巨大銀行に対して、公的資金で救済しなくてもすむように、BIS規制の自己資本に加え、債権者に元本の削減・免除を要求できる「TLAC債」などを含めることで、資本バッファーを確保するものとなっています。
現在、日本では、G-SIBsに指定されている、三菱UFJ・三井住友・みずほの3メガバンクがTLACの対象となっているほか、金融庁の方針により、野村ホールディングスもTLACの対象となっています。