DD原油
読み方: | でぃーでぃーげんゆ |
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英語: | Direct deal crude oil |
分類: | 石油 |
DD原油は、「ダイレクト・ディール原油」や「直接取引原油」とも呼ばれ、産油国が消費国へ直接販売する原油をいいます。
また、DD原油に対して、産油国と消費国の政府間で直接取引が行われる原油を「GG原油(Government to government crude oil)」と呼ぶことがあります。
目次:コンテンツ構成
DD原油の実現と現状
DD原油は、1972年末にペルシャ湾岸産油国が石油メジャーと結んだリヤド協定により、これまで石油メジャーに任せていた原油の生産事業に参加し、原油処分権を獲得したことで実現しました。
特に1978年のイラン革命(イランでパフラビー朝を倒してイスラム共和制を樹立した革命)を契機に、ペルシャ湾岸産油国がメジャー経由から直接取引へ原油販売方式を切り替えたため、その後、DD原油の取引が急増することになりました。
現在、日本は、原油輸入の約8割をペルシャ湾岸産油国との直接取引で調達しており、その中でも最大輸入国であるサウジアラビアの品質の高い軽質原油「エキストラライト」は、価格面でも注目されることが多いです。
<軽質原油の主な特色>
・比重が小さく、粘りけの少ない原油である
・揮発油分が多く、ガソリンや軽油、ジェット燃料を多く精製できる
DD原油の値決めの仕組み
日本のペルシャ湾岸産油国との「DD原油の値決め」は、以下のような仕組みとなっています。
(1)事前に輸入契約数量を決める。
(2)後に決まる基準価格に増減するプレミアム(割増金)やディスカウント(割引金)の調整額を産油国が事前に一方的に決める。
(3)アジア向け中東産原油の指標であるドバイ原油とオマーン原油との月間平均価格を基準価格とする。
また、商慣習の一つとして、両油種の現物価格については、世界的なエネルギー関連情報の配信会社であるプラッツ社がアセスメントする価格を対象としています。
DD原油価格=
(ドバイ原油の月間平均価格+オマーン原油の月間平均価格)/2 +(油種毎の調整金:割増金は+、割引金は-)
※取引量は、1年毎、取引価格は月毎に決定。
※原油価格は、日々変動する取引価格。