レアアース(希土類)
読み方: | れああーす(きどるい) |
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英語: | Rare earth element |
分類: | 資源 |
レアアースは、「希土類」とも呼ばれ、原子番号57番のランタンから原子番号71番のルテシウムまでの15元素のグループ(ランタノイド)に、原子番号21番のスカンジウムと原子番号39番のイットリウムを加えた17元素の総称をいいます。
レアメタルの一つで、17元素を1鉱種としてカウントされており、主な特色として、原子核を周回する電子の配置が特殊なため、他金属にはない独特の機能を発揮し、優れた科学的・物理的性質を持っており、様々な用途に使われています。
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レアアース(希土類)の呼称
その昔、イットリウムとトリウムを主成分とする希元素鉱物のイットリアが、1794年にフィンランドのJ.Gadolinによってスウェーデンで発見され、それまでに知られていた普通の土類と同類であるものの稀少なため、「レアアース(希土類)」と名付けられたそうです。
レアアース(希土類)の17元素
レアアース(希土類)の17元素は、以下のようになっています。
ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメシウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテシウム、イットリウム、スカンジウム
レアアース(希土類)の産出
レアアース(希土類)は、各々の化学的性質が非常に似ており、一緒に産出することが多く、主にチタン鉱石や鉄鉱石などの副産物として産出され、その世界的な産地としては、中国やオーストラリア、インド、ブラジル、カザフスタン、ベトナムなどに偏在しています。
現在、希土類の生産は中国が世界の9割近く(鉱石ベース)を占めており、一時期(2010年-2015年)、輸出国である中国が自国資源の保護(関税等の規制)を打ち出したことにより、世界的な需給バランスの逼迫が懸念されました(最終的にWTOがレアアースの輸出規制をルール違反と判断し、中国は輸出枠の撤廃に追い込まれた)。
このような逼迫状況に対して、日本は輸入先の多様化のほか、レアアースを使わない製品やリサイクル技術を開発し、従来に比べて中国へのレアアースの依存リスクを低減しました。
レアアース(希土類)の用途
レアアース(希土類)は、特にコンピュータや情報通信機器などに用いられる電子材料や自動車の排気ガス浄化用触媒等の素材として不可欠なものとなっており、ITや地球環境保全、エネルギーなどの分野で、今後さらに重要な素材になると予想されています。
その中でも、重要な利用分野としては、強力磁石や二次電池、自動車用触媒、水素吸蔵合金などが挙げられます。
レアアース(希土類)のトピックス
レアアース(希土類)は、北朝鮮領内や日本領海にもあるそうです。
◎2013年にソウルの北朝鮮資源研究所が明らかにした見通しによると、北朝鮮領内の鉱物資源は推定6兆ドル相当で、また単一では世界最大級とも目されるレアアース鉱床も抱えるとのこと。
◎2018年に東京大学や早稲田大学などからなる研究チームが、日本最東端の南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)に、世界需要の数百年分に相当する1600万トン以上のレアアース(希土類元素)が存在することが分かったと発表した。