ボラティリティ

英語: Volatility
分類: オプション

ボラティリティ(Volatility)は、「ボラ」とも略され、価格の変動性(変動率)をいいます。

金融分野で広く使われる概念(用語)で、金融工学では、資産価格の変動の激しさを表すパラメータ(価格の変動幅の比率)をいい、またオプションでは、原資産価格が1年間でどの程度変動するかを年率(%)で表示したものをいいます。さらに、資産運用では、テクニカル分析の指標の一つとしても活用されています。

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ボラティリティの基本概念

ボラティリティとは、値動き(価格変動)の荒さを「不確実性の度合い」として示すもので、統計学の分散や標準偏差の概念を適用したものです。

・偏差:平均値から各値を引いたもの(平均との差)
・分散:データのバラツキを表す値(偏差の二乗の平均値)
・標準偏差:分散の平方根で、データのバラツキを表す値

ボラティリティの計算と意味

ボラティリティは、過去のある期間の値動きについて、日次や週次、月次など一定間隔刻みで測った価格の騰落率を集計し、その平均からのバラツキ幅を統計的に計算します。

そして、その平均からのバラツキの度合いである標準偏差が大きいほど、ボラティリティが高く、値動きが荒いことを示し、逆に標準偏差が小さいほど、ボラティリティが低く、値動きは緩やかであることを示します。

市場性商品のボラティリティ

ボラティリティは、市場性商品(マーケットで取引される金融商品等)においては、価格変動が大きければ高くなり、逆に価格変動が小さくなれば低くなります。

例えば、国債等の債券価格の場合、通常、マーケット(債券市場)において、短期債の価格よりも長期債の価格のボラティリティの方が高く(大きく)なる傾向があります。

オプションのボラティリティ

ボラティリティは、オプション取引においては、原資産価格が1年間で、どの程度変動するかを年率(%)で表示したものとなっています。

ボラティリティとオプション価格の関係

ボラティリティとオプション価格(プレミアム)については、通常、以下のような関係が成り立ちます。

・ボラティリティが高いほど、プレミアムは高くなる
・ボラティリティが低いほど、プレミアムは低くなる

オプションのヒストリカル・ボラティリティ

ヒストリカル・ボラティリティ(HV)とは、過去のデータに基づいて算出した変動率をいいます。これは、過去一定期間の原資産価格の変化率の平均値から求められ、統計学でいう「標準偏差」にあたります。

オプションのインプライド・ボラティリティ

インプライド・ボラティリティ(IV)とは、原資産価格の将来の変動率を予測したもので、ヒストリカル・ボラティリティ(HV)と現在のオプション料(プレミアム)を基に、諸条件を設定して、ブラック・ショールズ・モデルなどを用いて逆算して求められます。