ノックアウト・オプション
英語: | Knock-out Option |
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分類: | オプション |
ノックアウト・オプションは、バリア・オプションの一種で、原資産価格がある一定の価格に到達すると、オプションの権利が消滅してしまうオプションをいいます。これは、オプションの買い手の権利に「消滅する条件(ノックアウト)」が付いたもので、買い手に不利な条件がある分、通常のオプションよりプレミアム(オプション料)が安くなります。
※バリア・オプション:原資産価格がある一定の価格(バリア)に到達するか否かで、権利が発生したり消滅したりするオプション。
目次:コンテンツ構成
ノックアウト・オプションの仕組みと種類
ノックアウト・オプションは、デリバティブの一つで、損失リスクが限定されたオプション取引です。
具体的には、満期までの間に、原資産価格(市場価格)がある一定の価格(ノックアウトプライス)に到達しなければ、オプションの権利は有効ですが、一方でノックアウトプライスに到達すると、オプションの権利が消滅するという仕組みになっています。
また、その種類として、バリアとの組み合わせで、「アップ・アンド・アウト」「ダウン・アンド・アウト」のコール・オプションとプット・オプションがあります。
ノックアウト・オプションの個人向け商品
ノックアウト・オプションは、自分のリスク許容度に合わせて、オプション料を選択できる金融商品で、現在、一部の証券会社等において、通貨ペアや株価指数、コモディティを対象(資産クラス)としたものが提供されています。
ノックアウト・オプションの取引の種類
ノックアウト・オプションには、「ブル(上昇)」と「ベア(下落)」の二種類があります。
◎オプションの原資産の価格が、今後上昇すると予測した場合は「ブル」を購入する。また、ブルを購入する際の選択可能なノックアウトプライスは、原資産の買値より下のレベルで設定する。
◎オプションの原資産の価格が、今後下落すると予測した場合は「ベア」を購入する。また、ベアを購入する際の選択可能なノックアウトプライスは、原資産の買値より上のレベルで設定する。
ノックアウト・オプションの取引の損益
ノックアウト・オプションでは、原資産価格の「上昇」または「下落」を予想し、原資産価格が予想通りに動いた場合に「利益(評価益)」が発生し、逆に原資産価格が予想通りに動かなかった場合に「損失(評価損)」が発生し、自分の相場観で損益を適宜確定させます。また、原資産価格がノックアウトプライスに達すると自動的に決済(損切り)されます。
◎自分でリスク許容度(ノックアウトプライス=損切レベル)を選択し、少ない資金で利益を狙える。
◎ノックアウトプライスを原資産価格の近くに設定するほど、取引に必要なオプション料は小さくてすむが、一方でノックアウト(損切り)される可能性が高くなる。
◎ノックアウトプライスを原資産価格の遠くに設定するほど、取引に必要なオプション料は大きくなるが、一方でノックアウト(損切り)される可能性が小さくなる。
◎取引のリスクが予め限定され、最大損失額は当初のオプション料(ポジションの保有に必要な維持証拠金額)のみである。
ノックアウト・オプションの取引の手順
ノックアウト・オプションの個人向け商品では、一般的には、以下のような取引の手順となっています。
(1)取引する銘柄(原資産)の値動きを予測し、取引画面において、「上昇(ブル)」または「下落(ベア)」の買いを選択する。
(2)値動きの予測からリスク許容度を判断し、ノックアウトプライス(損切レベル)を選択する。
(3)取引ロット数(注文量)を決定する。
(4)必要に応じて「指値」や「逆指値」を設定する。
(5)注文を確定し、取引を始める。
(6)相場動向を見て、適宜損益を確定する。なお、指値や逆指値では、自動的に決済される。