人口ボーナス
読み方: | じんこうぼーなす |
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英語: | Demographic Dividend |
分類: | 人口 |
人口ボーナスは、「人口学的ボーナス」とも呼ばれ、労働力増加率が人口増加率よりも高くなることにより、経済成長が後押しされることをいいます。
人口動態が経済活動に及ぼす影響のうち、特に人口構成の変化が経済成長にプラスの影響を与える状態であり、具体的には、子どもと高齢者の数(割合)に比べて、働く世代(生産年齢人口:15~64歳)の割合が増えていくことによって、経済成長が後押しされる状態を指します。
一般に人口ボーナス期にある国は、都市化の進展、工業化による所得増、消費活発化による高い経済成長率を実現する潜在能力があり、「若い国」と呼ばれます。また、教育や医療、年金などの社会福祉の負担が少ない一方で、税収が増えて財政負担が軽くなり、インフラ整備や税制優遇に資金を回しやすく、その結果、産業の国際競争力が強くなり、内需も拡大することが多いです。
その昔、日本においては、1960~1980年代に生産年齢人口がピークを迎え、人口ボーナスの影響(メリット)を日本経済が享受できたと言われています。
なお、人口ボーナスとは逆に、人口構成の変化が経済成長にマイナスの影響を与える状態を「人口オーナス」と言います。
<本用語の使用例>
・人口ボーナス期のピークに社会・経済基盤の整備が追いつくかがカギである
・税金を納める若年人口が多く、社会保障が必要な高齢人口が少ない人口ボーナス期は過ぎ去った
・中国は、建国から70年、豊富な労働力人口に伴う人口ボーナスを生かして世界第二の経済大国に上りつめた