自信過剰バイアス

読み方: じしんかじょうばいあす
分類: 行動経済学

自信過剰バイアスは、自分の能力や判断などに対して、明確な根拠がないのに自信を持つことをいいます。

行動ファイナンスにおいて、人間の意思決定に影響を及ぼすとされる心理的なバイアス(歪み)の一つで、自分は他の人(その他大勢)よりも上である、平均以上であると考えてしまう心理現象を指し、時として自分の力量を実際以上に評価しすぎて判断を誤ることもあるので注意が必要です。

例えば、資産運用においては、自信過剰バイアスが働くことによって、情報分析力の過信や相場観の一方的解釈などで投資判断を誤り、過剰なリスク負担によって、結果的に大きな損失を被ることがあると指摘されています。

また、米国の実証研究によると、自分は投資がうまいと思う人ほど短期間に売買を繰り返し、手数料の支払いがかさんでパフォーマンスが劣りがちであるという結果も報告されています(男性の方が女性よりも自信を持ちやすく、頻繁に売買する傾向があり)。

一般に自信過剰バイアスは、資産運用以外にも、健康面の過信(病気になるリスクの過小評価)や自動車運転技術の過信(事故を起こすことの過小評価)などでも日常的に見られ、時としてリスクを見過ごして(自分だけは大丈夫と思い込んで)、保険などによる備えが不十分になることもあるので注意が必要です。

iFinancial TV