ナッシュ均衡
読み方: | なっしゅきんこう |
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英語: | Nash equilibrium |
分類: | 概念 |
ナッシュ均衡は、米国の数学者ジョン・F・ナッシュが提唱した、ゲーム理論の非協力ゲームのモデル(解概念)をいいます。
「どのプレイヤーも戦略を変更する誘引をもたないような戦略の組合せ」と定義され、具体的には、互いに非協力的な戦略を取るプレーヤーが、自らの利得を最も大きくしようとする場合に実現する均衡状態を指します。
※ジョン・F・ナッシュ(1928/6/13-2015/5/23):米国の数学者、ゲーム理論や微分幾何学、偏微分方程式などで著名な業績を残す。1994年にノーベル経済学賞を受賞。
一般にナッシュ均衡は、今日のゲーム理論で最も基本的な概念の一つとされ、現在、経済学だけでなく、政治学や社会学、心理学、生物学などの分野にも広く応用されています。
また、実際のゲームでは、ナッシュ均衡は複数個あるのが普通のため、その最終的な解を求める際には、複数のナッシュ均衡の中から更にありえそうな均衡に絞り込む「リファインメント」という手続きが行われることが多いです。
ちなみに、代表例としては、個人(二人の囚人)が最適化を図ろうとした選択(二人の自白)が、結果として全体の最適選択とはならない(二人とも最も刑が重くなる)という「囚人のジレンマ」が挙げられます。