リスクアペタイト・フレームワーク(RAF)

英語: Risk Appetite Framework(RAF)
分類: 概念

リスクアペタイト・フレームワーク(RAF)は、2000年代後半の世界的な金融危機以後、金融機関のコーポレートガバナンス強化の議論の一環として提唱された概念の一つをいいます。

具体的には、経営目標や事業戦略、財務計画などを達成するための「リスクアペタイト(どのような業務に取り組み、どのようなリスクをどこまで取り、どの程度の収益を上げるかに関する中長期的な指針)」を明確にし、経営やリスクなどを管理する「フレームワーク(枠組み)」を指します。

一般にRAFは、リスクテイクの抑制のみに傾いた概念ではなく、必要に応じて適切な範囲でリスクテイクを行う旨を奨励するものであり、経営計画の透明性を高め、戦略とリスク管理の一体運営によって、リスクリターンを最適化するのが狙いとなっています。

また、説明責任をより直接的に果たすことが可能であり、経営陣が社外取締役に説明責任を果たす際の有効なツールになるほか、社外取締役が監督責任を遂行する際の重要な判断基準にもなりうります。

<金融庁の金融行政方針(2015年)の中でのRAFの注釈>

自社のビジネスモデルの個別性を踏まえたうえで、事業計画達成のために進んで受け入れるべきリスクの種類と総量を「リスクアペタイト」として表現し、これを資本配分や収益最大化を含むリスクテイク方針全般に関する社内の共通言語として用いる経営管理の枠組み。

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