欧州安定メカニズム(ESM)
読み方: | おうしゅうあんていめかにずむ |
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英語: | European Stability Mechanism(ESM) |
分類: | EU |
欧州安定メカニズム(ESM)は、「ヨーロッパ安定メカニズム(ヨーロッパ安定化機構)」とも呼ばれ、ルクセンブルクに本部を置く、ユーロ圏加盟国のための恒久的な金融支援機関をいいます。
欧州債務危機の際に設立された時限機関である「欧州金融安定基金(EESF)」を引き継ぐもので、2012年10月に発足しました(資本金7000億ユーロ、融資可能額5000億ユーロ、資本金はユーロ圏加盟国で分担)。
一般にESMの目的は、財政危機によって市場での資金調達に苦慮しているユーロ圏加盟国に対して金融支援を行い、欧州の金融市場の安定を保つことであり、一方で被支援国は金融支援を受けている間は資金調達の心配をせず、財政再建や構造改革などに注力することができます。
◎貸付を中心とした金融支援を行う場合、欧州委員会や欧州中央銀行、国際通貨基金が支援申請国の状況を詳細に査定し、ESM理事会やESM取締役会から承認を受けなければならない。
◎金融支援が決定した際には、被支援国は主に財政再建を目的としたマクロ経済調整プログラムの遵守が条件として課され、定期的に査察が行われる。
<ESMの金融支援の方法>
・金融危機に陥っている国に対して貸付を行う
・発行市場と流通市場において、ユーロ圏加盟国の国債を購入する
・貸付という形で予防的金融支援を実施する
・その国の金融機関の資本増強のため、政府に対して貸付を行う