予算教書
読み方: | よさんきょうしょ |
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英語: | The Budget Message of The President |
分類: | 米国 |
予算教書は、毎年2月頃、アメリカ合衆国の大統領が連邦議会に対して提出する、翌会計年度の予算案の編成方針を示す文書をいいます。
現在、大統領制を採用している米国では、大統領が議会に対して法案を提出する権限を持たないため、予算編成権は大統領ではなく議会にあり、議会が歳入や歳出に関する予算関連法案を作成することになっています。
◎予算教書は、大統領が必要と思う政策や歳入・歳出の見積もりを議会に示し、それに沿った予算編成を議会に促す「勧告」の性格が強い。一方で、議会は、これを受けて予算関連法案の作成にかかり、大枠を決める予算決議を採択し、個別の歳出法案や歳入法案を審議する。
◎大統領には、議会が可決した予算関連法案に対して拒否権があるため、予算教書の内容に特に問題がない限り、概ね反映されると言われている。
一般に予算教書は、翌会計年度の予算案の編成方針だけでなく、中長期的な米国の財政運営の方針や対外援助費、国防予算なども盛り込まれており、世界経済に与える影響力は極めて大きいため、世界的に注目されています。
また、予算教書は、「一般教書」と「大統領経済報告」と共に三大教書と呼ばれており、米国において非常に重要な位置づけとなっています。
※米国の会計年度は10月から翌年9月となっていることから、毎年2月頃に予算教書が提出される。