トービンの分離定理
読み方: | とーびんのぶんりていり |
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英語: | Separation Theorem |
分類: | 理論 |
トービンの分離定理は、現代ポートフォリオ理論の概念の一つで、投資において、危険資産(リスク資産)の組成が投資家のリスク選好と無関係に行われることをいいます。
米国の経済学者でノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・トービン(1918-2002)が提唱した定理で、自分にとって最適なポートフォリオを決定するにあたって、投資家のポートフォリオの選択問題が以下のように2つの問題に分離されることをいいます。
(1)リスクはあるもののリターンが期待される「接点ポートフォリオ(リスク資産のみのポートフォリオ)」を決定する。
(2)自分のリスク許容度に応じて、接点ポートフォリオと安全資産の配分比率を決定する。
一般にトービンの分離定理は、投資家の効用や選好は接点ポートフォリオ(リスク資産のみのポートフォリオ)の構成比率とは無関係であり、投資家は接点ポートフォリオと安全資産の配分比率に関してのみ選好に応じて決定するとしています。
もう少し簡単に言うなら、投資をするにあたって、リスク許容度が高い人も低い人も、リスク資産のポートフォリオの中身は同じでよく、一方でリスクの度合いは、安全資産をどれくらい持つかで調整すればよいというものです。