レギュラトリー・サンドボックス
英語: | Regulatory sandbox(RS) |
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分類: | 規制緩和 |
レギュラトリー・サンドボックス(Regulatory sandbox)は、「規制の砂場」とも呼ばれ、政府が革新的な新事業を育成する際に、現行法の規制を一時的に停止する規制緩和策をいいます。
元々は、英国で実施された、フィンテックのイノベーションや競争促進を目的とした「プロジェクト・イノベート(Project Innovate)」の施策の一つで、日本でも経済成長につながると判断され、成長戦略の一つとして導入されました。
ちなみに、本呼称は、小さな失敗を許容して試行錯誤させることから、「砂場(サンドボックス)遊び」に喩えれられたことに由来します。
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レギュラトリー・サンドボックスの概要
レギュラトリー・サンドボックスは、革新的な商品・サービス等の育成に向け、政府が事業者に対して、現行法を即時適用することなく、安全な実験環境を提供することでイノベーションを促進する取組みです。
現行の法制度が想定していない革新的な商品・サービス等に対して適用され、企業が当局と相談して試験事業を始め、各種問題を「走りながら考える」という仕組みであり、具体的な対象として、フィンテックや人口知能(AI)、個人情報の加工・分析サービス、IoT技術、スマートシティなどが挙げられます。
レギュラトリー・サンドボックスの仕組み
レギュラトリー・サンドボックスの基本的な仕組みは、以下のようになっています。
1.制度を利用する企業が新事業の構想を政府(所管省庁)に届け出て、所管省庁が内容を審査する。
2.企業と所管省庁の間で試験事業を検討し、妥当と判断されると許可がおりる。
3.試験期間中は、各業法で定められている手続きや規格などを満たしていなくても、所管省庁は違反状態の是正を求めることはしない。ただし、消費者等に損害を与えるような事態を回避するために、共同でモニタリング体制を構築する。
4.試験結果を政府に報告すると共に規制の在り方を提案し、これにより政府の方で「規制見直し」が検討される。