スコーチド・アース

スコーチド・アースは、「焦土作戦」とも呼ばれ、敵対的買収に対抗する防衛策の一つで、買収対象となった会社が自ら重要な資産や収益性の高い事業を第三者に譲渡したり、分社化したりすることによって、企業価値を大きく下げて、買収者の買収意欲を大きく削ぐことを目的とした経営戦略をいいます。

元々は、侵入してきた外敵に対して、その地域の利用価値をなくすために、建物や食料などを焼き尽くして、現地調達を不可能にさせる軍事作戦の名称に由来します。

現在、スコーチド・アースの一つに、自社の優良資産などを王冠の宝石に例えた「クラウンジュエル」があります。これは、敵対的買収の対象となった会社が、自社で最も魅力的な事業部門や資産、または子会社を第三者に譲渡したり、分社化したりすることによって、買収面で自社をより魅力のないものにするようになっています。

ちなみに、過去の事例として、2005年のライブドア対フジサンケイグループのニッポン放送株争奪戦において、ライブドアがニッポン放送株の過半数を取得する前に、フジテレビジョン株などをフジサンケイグループ内外の企業に譲渡することが検討されました。