コングロマリット

英語: Conglomerate
分類: 会社区分

コングロマリット(Conglomerate)は、日本語で「複合企業」とも呼ばれ、相互に関連性のない異業種を多数兼営する企業形態をいいます。

業種の異なる企業間の合併や買収を繰り返すことにより、巨大化した多角経営企業のことで、1960年代に米国で反トラスト法(独占禁止政策)によって、事業間に関連性のある関連的多角化が抑制されたことや、第3次産業の発達などを背景に進展しました。

ちなみに、英語の"conglomerate"の原義は、「礫岩(れきがん)」だそうです。

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コングロマリットの形成

元々は、米国において、1960年代以降、歴史の浅い無名の小企業が、大規模であるのに経営内容が悪く、株価が低い一方で、含み資産の大きい企業の株式を市場で買い占め、経営権を取得するといった行動を次々に行い、異業種の複合企業を形成したのが「コングロマリット」の始まりだそうです。

当時、新興企業であった、ガルフ・アンド・ウェスタン、ITT(インターナショナル・テレフォン・アンド・テレグラフ)、リットン・インダストリーズ、テレダインなどが一世を風靡しました(時代の流れの中で多くは消え去った)。

その後、1970年代にGEのような一部の巨大企業も本戦略を模倣し、コングロマリット型M&Aに資本を活用するようになり、多業種への展開を開始すると、GMやAT&T、エクソン、IBMなどが追随し、「多角企業」というカテゴリーができました。

コングロマリットの現状

コングロマリットは、時代の流れの中で、規制緩和や独占禁止法適用除外などが認められるようになり、「通信メディアコングロマリット」や「金融コングロマリット」などの新業態ができる一方で、多角化から選択・集中へと業態を変える企業も増え、今日では、コングロマリットの業態も変化しています。

なお、日本においては、ソフトバンクグループやソニーグル-プ、大手商社などは、異業種の複数の事業を抱えていることから「コングロマリット」の一種と言えます。

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